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2016.7.22

石原慎太郎のベストセラー『天才』の前に書かれた角栄ブームの先駆け! 『人を動かす天才 田中角栄の人間力』

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石原慎太郎のベストセラー『天才』の前に書かれた角栄ブームの先駆け! 『人を動かす天才 田中角栄の人間力』

なぜいま、田中角栄なのか?

 

 田中角栄が他界してすでに四半世紀近くになる。高度成長期の申し子のような田中氏が現代日本をみたら、なんと発するだろうか? 日本全体が貧しかった時代の貧困とはあきらかに様相を異にする現代の格差社会。いま、この国に田中角栄がいれば、なにを実行し、我々をどこに導くのか?

 

 小学校卒の学歴ながら、54歳の若さで首相の地位に上り詰め、「今太閤」とたたえられた田中角栄。突出した行動力と抜群の記憶力で、「コンピューター付きブルドーザー」の異名を取った。

 生涯に成立させた議員立法の数は33件。この数は、いまに至るも破られていない記録だ。首相としての功績では、日中国交正常化も大きな仕事だった。

 

 そして、金脈問題と女性問題を追及されて首相を辞任。さらに「ロッキード事件」で逮捕され、刑事被告人となったあげく実刑判決。しかし、逮捕により自民党を離れたあとも「闇将軍」として歴代自民政権の背後に君臨し、病に倒れたのちも議員をやめず、批判も浴び続けた。

 

 これほど功罪の極端な総理大臣はめずらしい。けれども、「彼が発する言葉の価値は色あせることがない。形がないからこそ、言葉に力がある限り永遠に残る。……田中番記者の端くれとして言葉を失う直前まで田中氏の肉声を聞けたことは記者冥利に尽きる」

 

 本書の監修は元共同通信編集局長で、現在テレビ朝日「報道ステーション」のコメンテーターでもある後藤謙次。現場の記者時代は長らく田中角栄番を勤め、もっとも角栄を知る記者のひとりだ。日本中の多くの人から愛された田中角栄流“人間力の極意”とは? 没後20年を経て、角栄の遺した言葉の数々が、それを知る手がかりとなる。これらは本書に掲載された発言の一部だ。

 

‹‹政治家は政策を実行しなければ、

 存在価値はゼロなんだよ››

 

‹‹恋人の電話番号を

 手帳に書いておくようじゃダメですな››

 

‹‹ノーと言うのは、たしかに勇気がいる。

 しかし、長い目で見れば

 信用されることが多い。

 ノーで信頼度が高まる場合もあるんだ››

 

‹‹世の中は白と黒ばかりではない。

 敵と味方ばかりではない。

 その間にある中間地帯、

 グレーゾーンが一番広い。

 そこを取り込めなくてどうする。

 真理は、常に中間にある››

 

‹‹世の中は、嫉妬とソロバンだ››

 

‹‹どうしても悪口を言いたければ、

 一人でトイレの中でやれ››

 

 自らの政策実現のために、多くの配下の議員を育て、慕われた人間観ココにあり。愛想笑いや擦り手をしてまで相手に近づいても、相手もいざとなれば打算で動く。まずは敵を減らし、気長に仲間を増やしていく。角栄の細やかな気配りは中間層を取り込むためにこそあった。

 

‹‹相手が立ち上がれなくなるまでやっつければ、

 敵方の遺恨は永遠に去らない。

 対立関係にあっても、徹底的に論破してしまっては、

 相手が救われない。

 土俵際には追い詰めるが、

 土俵の外に押し出してしまう必要はないんだ››

 そして、

‹‹そのへんがわからんやつが、天下を取れるはずがない››

 

 人情を重んじるから成立した持論「数は力なり」。敵も、味方も、すべての人を惹きつける人心掌握術の秘密を知りたい人、人から愛されたい人、本物のリーダーを目ざす人、必読の書です!

 

小学館文庫プレジデントセレクト

『人を動かす天才 田中角栄の人間力』

後藤謙次 監修

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