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2018.1.1
百歳はゴールではなく関所だよ――故日野原重明先生から「人生を変えるメッセージをあなたへ」。いのちの使いかた【新版】』
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生涯現役をつらぬき通した日野原重明先生は〝いのち〟をどう使ってきたか?
「僕のこの著書が読者のみなさまの人生の歩みを続けられる折々の道しるべのひとつになればこれに勝る喜びはありません」
2017年7月18日に105歳と9か月で亡くなられた著者の日野原重明先生。
100歳を越えてなお、「積極的に生きる喜び」にあふれる生涯現役の奥義をつづった『いのちの使いかた』が新版として文庫化されました。
新しい年を迎えるたびに、日野原先生はこれまでやったことがないことを新しく「創める(はじめる)」と決めていました。
98歳で創めたのが、俳句を詠むこと。
99歳のときは、ストレッチ運動で筋力アップ。
100歳になると「童話作家になる!」と宣言。
「やろうと思うだけでは、やらないことと同じです。行動こそが勝負です」
日野原先生が生涯現役をめざすためのモットーでした。
新しく創めたことはすぐに結果が出るとはかぎりません。
一度創めたら、夢中になって続けることが負けず嫌いな先生の若さの秘訣でもありました。
100歳で迎えた年のお正月に、大好きな箱根駅伝の中継を見ているときに詠んだ俳句が、
百歳はゴールではなく関所だよ
でしたし、童話作家デビューを果たしたのは103歳を迎える年の春でした。
だれかの役に立つということは、自分という存在そのものが生かされるということ。
医師として患者に寄り添い、身をもっていのちの大切さを学んだことや日本赤軍派によるハイジャック事件に遭遇し、恐怖の中から「与えられたいのち」を実感したことなど、日野原先生は数多の経験を通して学んできた「いのちの使いかた」を余すことなく教えてくれます。
年齢にかかわらず前向きに生きることを提唱し、次世代に平和といのちの大切さを伝えていくことを使命とされた日野原先生。
その活動と心境には、チャレンジングに生きる人生への向き合い方と幸せ感をもって生きるための知恵にあふれています。
本書に掲載された人生を自ら切り開くための指針を示すことばの一部を紹介すると……。
「人生は失敗ばかり、後悔ばかり、という人ほどいのちの使いかたがあるのです」
「予期せぬ災難に見舞われることが不幸なのではなく、そのときに、希望を見失ってしまうことが不幸なのです」
「いのちという限られた時間を無駄にするのは本当にもったいない。生きている限り、自分で自分を育てていかなければなりません」
生きる意味に気づかされる、希望のメッセージが心にしみわたります。
巻末には16歳の俳人、小林凜さんが「解説にかえて」と題して寄稿してくれました。
小林さんがいじめに苦しんでいた10歳の頃、日野原先生に手紙を出したことをきっかけにして俳句の文通がスタート、最晩年に深い交流をもった少年と老師。
愛情あふれる日野原先生との交流秘話に胸が熱くなります。
祝うことがかなわなかった日野原先生の106歳の誕生日を想い、詠んだ一句
百六のヒーロー秋の空をゆく
は、まさに小林さんにとって日野原先生がヒーローだったことを表しています。
そして、日野原先生の思いが次の世代へしっかりと受け継がれていることを確信するのです。
「〝創める〟ことは年齢にいのちという水を注ぐことです」
新しい年のはじまりに読みたい、珠玉の一冊です!
小学館文庫
著/日野原重明
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・日野原先生が病院で見つめた太平洋戦争。『戦争といのちと聖路加国際病院ものがたり』
・犬たちの勇気といのちから学ぶ幸せの意味。『いのちのギフト』
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