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2017.1.18

「デートする場所がない」「一所懸命だが残念な街おこし」・・・『あなたに似た街』のストーリーに、ほのぼのしみじみ。

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キーワード: 地方 短編集

「デートする場所がない」「一所懸命だが残念な街おこし」・・・『あなたに似た街』のストーリーに、ほのぼのしみじみ。

あなたの町のストーリーが

ここにある!

 

シャッター通りと化した商店街を

元気付けようと、地元女子高生たちが

ガールズバンドを結成。

これがネット動画で思わぬ話題になる

――「シャッター・ストリート・バンド」

 

「茂さんが行かないとチームが勝つ」。

地元のJリーグチームを応援したいけど、

ジンクスのためにスタジアムに行けない

――「裏守護神」

 

街で出会った若くて、スタイルがよくて、

ミントグリーンの春らしいファッションが

似合うケー子さんが忘れられない

――「ケーズ」

 

本書は全国の地方で起きている

「若者の流失」 「デートする場所がない」

「東京からのUターン」 「軽自動車が必須」

「一所懸命だが残念な街おこし策」

「空き家問題」 などを題材にした

心温まるショートストーリー集。

 

・・・ですが、

じつは本書のショートストーリーは、

佐賀県にある20市町が

それぞれの舞台になっています。

Jリーグのサポーターが主人公の

「裏守護神」は鳥栖市、

熱気球が登場する

「東京との距離」は佐賀市、

「美肌の湯」がキーワードの

「白い肌の夏」は嬉野市。

 

ただ、著者の藤井さんによると、

すべて佐賀県内の各自治体を

ヒントにしつつも、

全国に向けて書いたそうです。

 

「この本は、

全国のどこかにある街、の話です。

現在、東京に住む方も、地方に住む方も、

読めばきっと自分の地元と

重なる部分があるでしょう。

地方はそれぞれにいい所もあれば、

嫌な所もある。

地方だとかえって気付かない所もある。

そこに暮らす人々の毎日の生活と、

思いがある。

ステレオな"故郷の自然は

素晴らしい話"ではなく、

"田舎暮らし礼賛話"

"昔はよかった話"でもない、

どこか共感できる話を、

ずっと書きたいと思っていました」

 

物語は東京にだけあるのではなく、

「地方」にもそれぞれの物語があります。

それは、あなたの街の、そしてあなた自身の

物語かもしれません。それぞれのストーリーに、

しみじみと、ほのぼのと、そしてクスリと

させる短編集です。

 

『あなたに似た街』

著/藤井青銅

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