菅氏の実姉や「横浜のドン」と言われる最大の支援者が証言！ 本人インタビューにも成功！

　官房長官として、その力量を高く評価され、いつしか安倍政権をコントロールする「影の総理」とよばれるようになった菅義偉(すがよしひで)。多くの二世政治家や官僚出身の国会議員にみられるような門閥や学閥の背景をもたず、秋田県の豪雪地帯からさまざまな困難を乗り越えてきた叩き上げのイメージがあるが、実像はどうなのだろうか？

　著者は、2008年、2009年と2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。おもな著書に『同和と銀行 三菱東京UFJ"汚れ役"の黒い回顧録』、『泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴』などがあるジャーナリストの森功氏が、2015年初頭から足かけ1年半にもわたる関係者への総力取材を慣行！

　さらに注目すべきは、これまで自身に注目が集まることを避けてきた菅氏本人へのロングインタビューに2度成功！ 父親のこと、故郷のこと、安倍晋三氏のこと、橋下徹氏のこと・・・さまざまな話題について、驚くほど率直に語られている。

　ただ、インタビューしているからといって、本著は菅氏をもち上げる内容にはなっていない。著者の森氏は、菅氏の政治家としての実力については疑問符をつけている。

  ‹‹実際に取材していみると、その素顔はこれまで伝えられてきた印象とかなり異なっていた。同じ豪雪地帯出身の田中角栄と菅を重ね合わせる向きもあるが、二人にはかなりの開きがあるように思えた。

　当の本人はつかみどころがなく、大物評の割に、その実像が明らかになっていないが、少年時代から青年期、国会議員へと時を経るにつれ、姿勢を変えてきたのではないだろうか››

  ‹‹もとはいわば東北出身のどこにでもいそうな青年だった。それが「影の総理」「政権の屋台骨」と評されるほどの実力者になれたのはなぜか。その足跡を追いながら、菅義偉の正体を解剖する››

　満州帰りの父親に育てられた秋田の少年時代から、雑用係から成り上がっていく国会議員の秘書時代など、関係各所を繰り返し徹底取材！ そのかいあって、菅氏の実姉や「横浜のドン」といわれる最大の支援者など、これまで口を開くことのなかった関係者からつぎつぎと証言を得た。

　安倍晋三との出会い、橋下徹をバックアップ、創価学会との紆余曲折、NHK支配のカラクリ、沖縄米軍基地へのこだわり、知られざる人脈と金・・・彼の素顔と、彼を取り巻くさまざまな権力基盤が明らかに！

『総理の影

菅義偉の正体』

著／森功