2011年  特集企画

デビュー60周年記念

女優  岡田茉莉子

上映期間

2011年11月26日(土)〜12月30日(金)

戦後の日本映画を代表する女優・岡田茉莉子のデビュー60周年を記念して、その代表作35作品を上映します。
父は夭折した俳優・岡田時彦。夫は映画監督・吉田喜重。芸名は父の名付け親でもあった谷崎潤一郎の命名。今も第一線で活躍を続ける大女優が、錚々たる名監督や名優たちと作り上げた作品の数々をお楽しみください。

協力:岡田茉莉子、現代映画社


「女優になったこと、女優であること、女優であり続けること」

映画女優60年の軌跡をたどる

上映作品リスト

1.

舞姫』 昭和26年 白黒 監督:成巳喜男 共演:高峰三枝子、山村聰、二本柳寛  *16mm上映

2.

やくざ囃子』 昭和29年 白黒 監督:マキノ雅弘 共演:鶴田浩二、河津清三郎、花柳小菊

3.

芸者小夏  ひとり寝る夜の小夏』 昭和30年 白黒 監督:青柳信雄 共演:志村喬、森繁久彌、杉村春子

4.

旅路』 昭和30年 白黒 監督:稲垣浩 共演:池部良、藤原釜足、高尾光子

5.

山鳩』 昭和32年 白黒 監督:丸山誠治 共演:森繁久彌、田中春男、千秋実

6.

集金旅行』  昭和32年 カラー 監督:中村登 共演:佐田啓二、花菱アチャコ、西村晃

7.

悪女の季節』 昭和33年 カラー 監督:渋谷実 共演:山田五十鈴、東野英治郎、伊藤雄之助

8.

ある落日』 昭和34年 白黒 監督:大庭秀雄 共演:森雅之、高橋貞二、伊藤雄之助  *ニュープリント

9.

霧ある情事』 昭和34年 カラー 監督:渋谷実 共演:津川雅彦、加東大介、三上真一郎

10.

春の夢』 昭和35年 カラー 監督:木下惠介 共演:笠智衆、久我美子、東山千栄子

11.

女の坂』 昭和35年 カラー 監督:吉村公三郎 共演:佐田啓二、乙羽信子、河内桃子

12.

離愁』 昭和35年 カラー 監督:大庭秀雄 共演:佐田啓二、桑野みゆき、山本豊三

13.

秋日和』 昭和35年 カラー 監督:小津安二郎 共演:原節子、司葉子、佐田啓二

14.

女舞』 昭和36年 カラー 監督:大庭秀雄 共演:佐田啓二、岩下志麻、杉田弘子

15.

河口』 昭和36年 カラー 監督:中村登 共演:山村聰、滝沢修、田村高廣

16.

熱愛者』 昭和36年 カラー 監督:井上和男 共演:芥川比呂志、桑野みゆき、月丘夢路

17.

今年の恋』 昭和37年 白黒 監督:木下惠介 共演:吉田輝雄、田村正和、浪花千栄子

18.

愛染かつら』 昭和37年 カラー 監督:中村登 共演:吉田輝雄、佐田啓二、笠智衆

19.

続・愛染かつら』 昭和37年 カラー 監督:中村登 共演:吉田輝雄、佐田啓二、笠智衆

20.

秋津温泉』 昭和37年 カラー 監督:吉田喜重 共演:長門裕之、宇野重吉、山村聰

21.

残菊物語』 昭和38年 カラー 監督:大庭秀雄 共演:市川猿之助、嵐寛寿郎、中村芳子  *ニュープリント

22.

水で書かれた物語』 昭和40年 白黒 監督:吉田喜重 共演:浅丘ルリ子、入川保則、山形勲

23.

女のみづうみ』 昭和41年 白黒 監督:吉田喜重 共演:早川保、露口茂、芦田伸介

24.

情炎』 昭和42年 白黒 監督:吉田喜重 共演:木村功、高橋悦史、しめぎしがこ

25.

炎と女』 昭和42年 白黒 監督:吉田喜重 共演:木村功、日下武史、小川真由美

26.

樹氷のよろめき』 昭和43年 白黒 監督:吉田喜重 共演:木村功、蜷川幸雄、赤座美代子

27.

さらば夏の光』 昭和43年 カラー 監督:吉田喜重 共演:横内正、ポール・ボーベ、エレーヌ・スビエール

28.

エロス+虐殺』 昭和45年 白黒 監督:吉田喜重 共演:細川俊之、楠侑子、高橋悦史  *12/23(祝・金)18:00の回のみ[最長版]デジタル上映となります

29.

香華』 昭和39年 白黒 監督:木下惠介 共演:乙羽信子、田中絹代、市川翠扇

30.

妻二人』 昭和42年 カラー 監督:増村保造 共演:若尾文子、高橋幸治、伊藤孝雄

31.

煉獄エロイカ』 昭和45年 白黒 監督:吉田喜重 共演:鵜田貝造、木村菜穂、岩崎加根子

32.

告白的女優論』 昭和46年 カラー 監督:吉田喜重 共演:浅丘ルリ子、有馬稲子、三國連太郎

33.

黒の奔流』 昭和47年 カラー 監督:渡邊祐介 共演:山崎努、松坂慶子、谷口香

34.

人間の証明』 昭和52年 カラー 監督:佐藤純彌 共演:松田優作、ジョージ・ケネディ、三船敏郎

35.

鏡の女たち』 平成15年 カラー 監督:吉田喜重 共演:田中好子、一色紗英、室田日出男

お知らせ

  • 岡田茉莉子さん トークショー&舞台挨拶&サイン会

    このイベントは終了しました。

    岡田茉莉子さんが次のスケジュールでご来館の予定です。ふるってご参加ください。

    ◆トークショー◆
    11/26(土)  13:15〜『芸者小夏  ひとり寝る夜の小夏』上映後
    12/3(土)   13:15〜『ある落日』上映後
    12/10(土)  13:15〜『秋津温泉』上映後
    12/24(土)  13:30〜『鏡の女たち』上映後
    12/30(金)  13:15〜『香華』上映後

    ◆舞台挨拶◆
    12/11(日)  13:15〜『残菊物語』上映後

    ◆サイン会◆
    11/27(日)、12/4(日)、11(日)、18(日)、23(祝・金)、25(日)の各日2回目(25(日)は初回の『香華』)の上映終了後にロビーで行います。

    ※やむを得ない事情により、急遽変更・中止になる場合がございます。何卒ご了承ください。
    ※スケジュール表にも掲載しておりますので、ご利用ください。

  • 吉田喜重監督 トークショー&舞台挨拶

    このイベントは終了しました。

    吉田喜重監督が次のスケジュールでご来館の予定です。ふるってご参加ください。

    ◆トークショー◆
    12/17(土)  13:30〜『女のみづうみ』上映後

    ◆舞台挨拶◆
    23(祝・金)  18:00〜『エロス+虐殺』[最長版]上映前

    ※やむを得ない事情により、急遽変更・中止になる場合がございます。何卒ご了承ください。
    ※スケジュール表にも掲載しておりますので、ご利用ください。

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【岡田茉莉子・年譜】

  • 1933年1月11日◆東京に生まれる。母は元宝塚女優・田鶴園子、父は映画俳優・岡田時彦。
  • 1934年1月16日◆岡田時彦病没。
  • 1938年6月◆日本舞踊などの稽古事を始める。
  • 1940年◆母と大阪の祖父のもとに転居。
  • 1942年◆母に連れられ上海に渡る。母はこの地でバレエやダンスの教師となる。
  • 1943年◆帰国。東京の叔母夫婦のもとで暮らす。母は再度上海に渡る。
  • 1945年6月◆叔母の夫である東宝社員山本紫朗が新潟市の宝塚劇場支配人に転勤したため、疎開を兼ねて新潟市に転居。10月◆母、帰国。
  • 1949年秋◆市立沼垂高校(現・市立万代高校)2年生の折り、市内の映画館で溝口健二監督のサイレント映画『滝の白糸』('33)を見る。帰宅後、そのことを母に話し、初めて主演俳優の岡田時彦が父であることを知らされる。
  • 1951年4月◆高校卒業後、母とともに東京に戻る。5月◆父の墓を訪れる。6月◆東宝演劇部のプロデューサーであった叔父の薦めにより、東宝演技研究所に入所。同月、8月公開の成巳喜男監督作品『舞姫』のヒロインの娘役に抜擢される。デビューに際して、父の芸名岡田時彦の名付け親であり、その弔辞を読んだ谷崎潤一郎により、岡田茉莉子という芸名を授かる。11月◆東宝演技研究所を卒業し、東宝専属女優となる。
  • 1957年◆東宝との専属契約が終了し、フリーとなる。同年、松竹と専属契約を交わす。第一作は『集金旅行』。
  • 1958年◆『悪女の季節』で、毎日映画コンクール助演女優賞受賞。
  • 1960年◆『秋日和』で、岡田時彦と名コンビを組んだ小津安二郎監督作品に初出演。
  • 1961年◆初プロデュース作品『熱愛者』に主演。
  • 1962年◆映画出演百本記念作としてプロデューサーも兼ねた、吉田喜重監督作品『秋津温泉』により、主演女優賞を独占する。
  • 1964年6月21日◆木下恵介監督を媒酌人に、ドイツで吉田喜重と結婚式を挙げる。同年、吉田喜重とともに松竹を退社。
  • 1966年◆芸術座の新春公演で「細雪」に主演し、本格的な舞台出演が始まる。6月◆吉田喜重と現代映画社を設立。『女のみづうみ』を第一作に、吉田作品のヒロインとしての歩みを本格化させる。
  • 1968年◆川端康成の尽力により、行方不明だった谷崎潤一郎の父への弔辞文を入手する。
  • 1989年◆母、81歳でこの世を去る。
  • 2002年◆『鏡の女たち』がカンヌ国際映画祭で特別上映される。これを契機に国内外で吉田・岡田作品への再評価が始まる。
  • 2008年◆パリ、ポンピドゥ・センターで吉田喜重全作品の回顧上映が開催される。
  • 2009年◆自伝「女優  岡田茉莉子」を出版。

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