神保町シアター

S26('51)／東宝／白黒／スタンダード／1時間25分

■監督：成��巳喜男■原作：川端康成■脚本：新藤兼人■撮影：中井朝一■音楽：斎藤一郎■美術：中古智■出演：岡田茉莉子、高峰三枝子、山村聰、二本柳寛、片山明彦、木村功

18歳で東宝演技研究所に入った2週間後、主演の高峰の娘役に抜擢されたデビュー作。巨匠成��の指導のもと、両親の不仲に悩みながら、バレリーナを目指す娘を可憐に演じる。

＊16mm上映

S29('54)／東京映画＝滝村プロ／白黒／スタンダード／1時間28分

■監督：マキノ雅弘■原作：村上元三『利根の川霧』■脚本：松浦健郎、マキノ雅弘■撮影：三村明■音楽：服部正■美術：島康平■出演：岡田茉莉子、鶴田浩二、河津清三郎、花柳小菊、田崎潤、田中春男

いなせな渡世人が旅先で出会った浪人の妹に一目惚れ。嫌っていた娘もやがて恋心を抱くようになり、次第に大胆になっていく姿を生き生きと演じた、楽しい恋愛時代劇。

S30('55)／東宝／白黒／スタンダード／1時間45分

■監督：青柳信雄■原作：舟橋聖一■脚本：梅田晴夫、宮内義治■撮影：芦田勇■音楽：飯田信夫／■美術：村木忍■出演：岡田茉莉子、志村喬、森繁久彌、杉村春子、中北千枝子、楠トシエ

大ヒットした『芸者小夏』の続篇。前作で死んだ旦那の葬儀で見初められ、財界の有力者の世話になる小夏に、大人の色香が匂いただよう。あわれな世話係の森繁が可笑しい。

S30('55)／東宝／白黒／スタンダード／1時間49分

■監督・脚本：稲垣浩■原作：長谷川伸■撮影：安本淳■音楽：深井史郎■美術：北猛夫、園眞■出演：岡田茉莉子、池部良、藤原釜足、高尾光子、市川かつじ、加東大介

「沓掛時次郎」に想を得た、やくざ否定ともいうべき股旅物。幼子を連れた若後家と滅法強い洒脱な渡世人が、たがいに意地を張りながら旅をする。初の母親役を気高く演じた。

S32('57)／東宝／白黒／スタンダード／1時間40分

■監督：丸山誠治■原作：北條秀司『白鷺』『水仙』■脚本：井手俊郎■撮影：鈴木斌■音楽：団伊玖磨■美術：浜上兵衛■出演：岡田茉莉子、森繁久彌、田中春男、千秋実、清川虹子、左卜全

草津と軽井沢を結ぶ草軽電鉄の小さな駅を舞台に、旅する若い娼婦と初老の駅長とのあいだに芽生えた愛情をしみじみと描く。フリーとなった第一作、森繁との本格競演も見所。

S32('57)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間43分

■監督：中村登■原作：井伏鱒二■脚本：椎名利夫■撮影：生方敏夫■音楽：黛敏郎■美術：熊谷正雄■出演：岡田茉莉子、佐田啓二、花菱アチャコ、西村晃、伊藤雄之助、小林トシ子

松竹と専属契約を結んだ最初の作品が、意外にも喜劇。そしてコメディエンヌとしての資質が見事に開花した記念すべき作品。佐田啓二との息の合ったコンビネーションに魅了される。

S33('58)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間50分

■監督：渋谷実■脚本：菊島隆三■撮影：長岡博之■音楽：黛敏郎■美術：浜田辰雄■出演：岡田茉莉子、山田五十鈴、東野英治郎、伊藤雄之助、杉浦直樹、片山明彦

非情な財産家と暮らす愛人とその娘の、欲望に駆られた骨肉の争いを描くブラックコメディ。母親役の山田五十鈴との白熱の競演により、毎日映画コンクール女優助演賞に輝いた。

S34('59)／松竹大船／白黒／シネスコ／1時間34分

■監督：大庭秀雄■原作：井上靖■脚本：大庭秀雄、光畑碩郎■撮影：長岡博之／■音楽：池田正義■美術：芳野尹孝■出演：岡田茉莉子、森雅之、高橋貞二、伊藤雄之助、朝丘雪路、渡辺文雄

病妻を持つ実業家、それでも抑えきれずに愛を告白するシーンの美しさに心を奪われる、不倫の文芸メロドラマ。その愛を受け止めるのは名優、森雅之。『浮雲』以来の競演である。

＊ニュープリント

S34('59)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間28分

■監督：渋谷実■原作：舟橋聖一■脚本：斎藤良輔■撮影：長岡博之■音楽：黛敏郎■美術：浜田辰雄■出演：岡田茉莉子、津川雅彦、加東大介、三上真一郎、芳村真理、菅井一郎

土建会社社長の愛人になった女が、ふとした偶然が重なって、誤って人を刺してしまった社長秘書と逃避行する羽目になる。安易な生活に流されてきた女の諦めを見事に演じている。

S35('60)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間44分

■監督・脚本：木下惠介■撮影：楠田浩之■音楽：木下忠司■美術：梅田千代夫■出演：岡田茉莉子、笠智衆、久我美子、東山千栄子、小沢栄太郎、川津祐介、丹阿弥谷津子

会社社長の豪邸で、偶然にも焼芋売りの老人が急病で倒れたために始まる、シチュエーション・コメディ。虚飾に満ちたブルジョア家庭のなかで、唯一まともな娘を演じた。初出演の木下作品。

S35('60)／松竹京都／カラー／シネスコ／1時間47分

■監督：吉村公三郎■原作：沢野久雄『五条坂』■脚本：新藤兼人■撮影：宮島義勇■音楽：黛敏郎■美術：大角純一■出演：岡田茉莉子、佐田啓二、乙羽信子、河内桃子、高千穂ひづる、中村鴈治郎

京都の老舗和菓子屋を継ぐために、他所から来た気丈な女を演じ、店を再興するとともに、佐田啓二との許されぬ恋に悩む。古都の美を撮ることには定評のある吉村公三郎の作品。

S35('60)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間30分

■監督：大庭秀雄■原作：井上靖『青衣の人』■脚本：柳井隆雄、大庭秀雄■撮影：長岡博之■音楽：池田正義■美術：芳野尹孝■出演：岡田茉莉子、佐田啓二、桑野みゆき、山本豊三、三宅邦子、毛利菊枝

見合い相手の男との結婚が間近に迫っていながら、かつて恋心を抱いた陶芸家と再会した女の、揺れ動く惑いの日々を描く。大人の恋愛心理の綾を追究した、文芸メロドラマ。

S35('60)／松竹大船／カラー／スタンダード／2時間5分

■監督：小津安二郎■原作：里見��■脚本：野田高梧、小津安二郎■撮影：厚田雄春■音楽：斎藤高順■美術：浜田辰雄■出演：岡田茉莉子、原節子、司葉子、佐田啓二、佐分利信、笠智衆、桑野みゆき

サイレント時代に父・岡田時彦と名コンビを組んだ小津安二郎作品への初出演。原節子母娘の行く末を心配しながら、もてあそぶ老紳士たちに、胸のすくような啖呵を切るシーンが見所。

S36('61)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間40分

■監督：大庭秀雄■原作：円地文子、秋元松代■脚本：柳井隆雄、大庭秀雄■撮影：長岡博之■音楽：池田正義■美術：芳野尹孝■出演：岡田茉莉子、佐田啓二、岩下志麻、杉田弘子、千之赫子、宮口精二

美貌の新進舞踊家が、危険な天才能楽師といわれる男に教えを請い、やがて身も心も奪われてゆく芸道もの。幼い頃から習ってきた日本舞踊の技を、存分に披露する場面が堪能できる。

S36('61)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間28分

■監督：中村登■原作：井上靖■脚本：権藤利英■撮影：厚田雄春■音楽：黛敏郎■美術：佐藤公信■出演：岡田茉莉子、山村聰、滝沢修、田村高廣、東野英治郎、杉浦直樹

戦後の貧しさから老実業家の庇護を受けてきた女が、やがて独立して画商を始めるが、事業を支えるために男たちのあいだを遍歴せざるをえない。それは荒涼とした河口の風景にも似ていた。

S36('61)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間35分

■監督：井上和男■原作：中村真一郎■脚本：新藤兼人■撮影：堂脇博■音楽：池田正義■美術：芳野尹孝■出演：岡田茉莉子、芥川比呂志、桑野みゆき、月丘夢路、乙羽信子、山村聰

自らが企画し、監督を指名した初のプロデュース作品。インテリア・デザイナーを演じ、音楽評論家である芥川比呂志と、激しい愛に溺れてゆくが、それは二人のエゴイズムに過ぎなかった。

S37('62)／松竹大船／白黒／シネスコ／1時間23分

■監督・脚本：木下惠介■撮影：楠田浩之／■音楽：木下忠司■美術：梅田千代夫■出演：岡田茉莉子、吉田輝雄、田村正和、浪花千栄子、東山千栄子、三木のり平

弟が不良であるのはその友達のせいと思いこむ、その兄と姉。たがいに相手を責め、反発しながら、結ばれてゆく。お正月映画らしい華やかさのなかで、生き生きした下町娘を鮮やかに演じる。

S37('62)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間40分

■監督：中村登■原作：川口松太郎■脚本：富田義朗■撮影：厚田雄春■音楽：古関裕而■美術：佐藤公信■出演：岡田茉莉子、吉田輝雄、佐田啓二、笠智衆、佐野周二、桑野みゆき、千之赫子

幼子を抱えた未亡人の看護婦と病院の御曹司である医師との恋を描く、戦前の大ヒット作のリメイク。東京駅でのすれ違いに流れる主題歌のシーンには、誰しもが心を奪われる。

S37('62)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間39分

■監督：中村登■原作：川口松太郎■脚本：富田義朗■撮影：平瀬静雄■音楽：古関裕而■美術：佐藤公信■出演：岡田茉莉子、吉田輝雄、佐田啓二、笠智衆、佐野周二、岩崎加根子、三井弘次

前作のヒットをうけた続篇。いまでは流行歌手となったヒロインの、一途な恋の行方を描く。主題歌が流れる夜の京都、鴨川べりのシーンは、日本のメロドラマが作り出した金字塔。

S37('62)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間53分

■監督・脚本：吉田喜重■原作：藤原審爾■撮影：成島東一郎■音楽：林光■美術：浜田辰雄■出演：岡田茉莉子、長門裕之、宇野重吉、山村聰、日高澄子、殿山泰司

「映画出演百本記念作品」として自らプロデュースし、初めて吉田喜重とコンビを組む。戦後17年の歳月が過ぎるなか、時代に流されてゆく男と、変わらぬ真情を抱き裏切られる女を描く。女優賞独占の代表作。

S38('63)／松竹京都／カラー／シネスコ／1時間45分

■監督：大庭秀雄■原作：村松梢風■脚本：依田義賢■撮影：厚田雄春■音楽：黛敏郎■美術：芳野尹孝■出演：岡田茉莉子、市川猿之助、嵐寛寿郎、中村芳子、津川雅彦、伴淳三郎

身分違いの女を愛したため、勘当された歌舞伎役者の苦悩を描く、戦前の溝口健二の名作のリメイクであり、猿之助の襲名披露作品。耐えしのびながら献身する悲運の女を演じる。

＊ニュープリント

S40('65)／中日映画社／白黒／シネスコ／2時間

■監督：吉田喜重■原作：石坂洋次郎■脚本：石堂淑朗、高良留美子、吉田喜重■撮影：鈴木達夫■音楽：一柳慧■美術：黒沢治安、平田逸郎■出演：岡田茉莉子、浅丘ルリ子、入川保則、山形勲、岸田森、弓恵子、桑山正一

若くして夫を亡くし、ひとり息子を育てる美貌の母に注がれる男たちの眼。それが引き起こす悲劇を鮮烈なイメージで描く。吉田喜重と結婚、ともに松竹を去った後の記念すべき作品。

S41('66)／現代映画社／白黒／シネスコ／1時間42分

■監督：吉田喜重■原作：川端康成『みづうみ』■脚本：石堂淑朗、大野靖子、吉田喜重■撮影：鈴木達夫■音楽：池野成■美術：平田逸郎■出演：岡田茉莉子、早川保、露口茂、芦田伸介、夏圭子、梅津栄

不倫相手の男性が撮ったヌード写真を奪われた女が、未知の男に脅迫され、言われるままに旅に出る。ミステリアスな空間を構築する鋭利な映像美に魅了される、吉田夫妻の現代映画社第一作。

S42('67)／現代映画社／白黒／シネスコ／1時間37分

■監督・脚本：吉田喜重■原作：立原正秋『白い罌粟』■撮影：金宇満司■音楽：池野成■美術：梅田千代夫■出演：岡田茉莉子、木村功、高橋悦史、しめぎしがこ、南美江、菅野忠彦

夫の不倫に耐える上流家庭の女が、名も知らぬ労働者と関係を持つ。鎌倉を舞台にした孤独な女の愛の遍歴。研ぎ澄まされた映像、そして頻繁に現われる鏡のイメージが印象的。

S42('67)／現代映画社／白黒／シネスコ／1時間42分

■監督：吉田喜重■脚本：山田正弘、田村孟、吉田喜重■撮影：奥村祐治■音楽：松村禎三■美術：佐藤公信■出演：岡田茉莉子、木村功、日下武史、小川真由美、北村和夫、細川俊之

人工授精によって子供を授かった夫婦。その子供は母だけのものであり、夫に父の権利があるのだろうか。詩的な語りと斬新な画面構成による、男性優位の社会を揺るがすドラマ。

S43('68)／現代映画社／白黒／シネスコ／1時間38分

■監督：吉田喜重■脚本：石堂淑朗、吉田喜重■撮影：奥村祐治■音楽：池野成■美術：佐藤公信■出演：岡田茉莉子、木村功、蜷川幸雄、赤座美代子

厳冬の北海道を旅するひとりの女と男二人。この危険な三角関係の行きつく果てに、何が起こるのか。性に惑わされ、罰せられるようにして雪の原野をさまよう男女を、鋭い映像で追う。

S43('68)／現代映画社／カラー／シネスコ／1時間37分

■監督：吉田喜重■脚本：山田正弘、長谷川龍生、吉田喜重■撮影：奥村祐治■音楽：一柳慧■出演：岡田茉莉子、横内正、ポール・ボーベ、エレーヌ・スビエール

ポルトガルから始まり、ヨーロッパ7カ国を巡るロード・ムービー。そして浮かびあがるのは、原爆で壊滅した長崎という地名。故郷を捨て去って異郷に生きる、謎めいた女を演じる。

S45('70)／現代映画社／白黒／シネスコ／2時間45分

■監督：吉田喜重■脚本：山田正弘、吉田喜重■撮影：長谷川元吉■音楽：一柳慧■美術：石井強司■出演：岡田茉莉子、細川俊之、楠侑子、高橋悦史、伊井利子、原田大二郎

関東大震災の直後、大杉栄とともに憲兵隊に虐殺された伊藤野枝を演じる。大正時代と70年代の現在とが、時空を超えて呼応し、対話する。吉田の代表作であるとともに、真の女性映画。

＊劇場公開版の他に、デジタル上映で3時間37分の最長版も上映

S39('64)／松竹大船／白黒／シネスコ／3時間22分

■監督・脚本：木下惠介■原作：有吉佐和子■脚本：西島大■撮影：楠田浩之■音楽：木下忠司■美術：伊藤熹朔、梅田千代夫■出演：岡田茉莉子、乙羽信子、田中絹代、市川翠扇、加藤剛、三木のり平、岡田英次

淫蕩な母によって芸者屋に売られた娘が成長し、花魁となった母と再会する。母と娘の愛憎渦巻く年代記を綴る大河ドラマ。やがては築地の料亭の女将となる、女の一生を見事に演じ切る。（途中休憩あり）

S42('67)／大映東京／カラー／シネスコ／1時間33分

■監督：増村保造■原作：パトリック・クェンティン『二人の妻をもつ男』■脚本：新藤兼人■撮影：宗川信夫■音楽：山内正■美術：下河原友雄■出演：岡田茉莉子、若尾文子、高橋幸治、伊藤孝雄、三島雅夫、江波杏子

愛した男が他の女と結婚、一度は諦めて身を退いた女性が、偶然にも関係が再燃、女二人の戦いが始まる。初共演した若尾文子のクールな人妻とは対照的に、情の深い女の怖ろしさを演じる。

S45('70)／現代映画社／白黒／スタンダード／1時間58分

■監督：吉田喜重■脚本：山田正弘、吉田喜重■撮影：長谷川元吉■音楽：一柳慧■美術：山口修■出演：岡田茉莉子、鵜田貝造、木村菜穂、岩崎加根子、武内亨、牧田吉明

革命を目指しながら権力闘争に陥ってゆく学生運動を、大胆に戯画化した作品。こうした権力に溺れてゆく男性たちを、女性の側から批判するヒロインを鮮やかに演じる。

S46('71)／現代映画社／カラー／スタンダード／2時間4分

■監督：吉田喜重■脚本：吉田喜重、山田正弘■撮影：長谷川元吉■音楽：一柳慧■美術：朝倉摂■出演：岡田茉莉子、浅丘ルリ子、有馬稲子、三國連太郎、太地喜和子、原田芳雄

映画斜陽期の混迷の中で、商業映画界のアウトサイダーだった吉田が「大女優」という存在に捧げたオマージュ。三人の女優たちが虚実の被膜のあいだを演じ、映画スターとは何かを問いかける。

S47('72)／松竹大船／カラー／シネスコ／1時間31分

■監督：渡邊祐介■原作：松本清張『種族同盟』■脚本：國弘威雄、渡邊祐介■撮影：小杉正雄■音楽：渡辺宙明■美術：森田郷平■出演：岡田茉莉子、山崎努、松坂慶子、谷口香、佐藤慶、松村達雄、中村伸郎

若き弁護士が殺人容疑の女の無罪を立証、やがて二人は関係をもつようになるが、野心家の弁護士は有力者の娘と結婚することになる。捨てられた薄幸の女が最後に選んだ道とは…　

S52('77)／角川春樹事務所／カラー／ビスタ／2時間13分

■監督：佐藤純彌■原作：森村誠一■脚本：松山善三■撮影：姫田真佐久■音楽：大野雄二■美術：中村修一郎■出演：岡田茉莉子、松田優作、ジョージ・ケネディ、三船敏郎、鶴田浩二、ジョー山中

殺人の嫌疑がかけられ、刑事に追いつめられてゆく政治家の妻であり、著名なデザイナー。やがて悲惨な戦後を生き抜いた、女の悲劇があらわになる。その存在感のある演技には圧倒される。

H15(2003)／現代映画社ほか／カラー／ビスタ／2時間9分

■監督・脚本：吉田喜重■撮影：中堀正夫■音楽：原田敬子■美術：部谷京子■出演：岡田茉莉子、田中好子、一色紗英、室田日出男、西岡徳馬、山本未來

20年前、生まれたばかりの孫娘を残して娘が失踪。その母子手帳をもつ女が見つかるが、記憶を喪失していた。娘と断定できない母は、彼女と孫娘をつれて広島へと旅立つ。吉田映画の集大成ともいうべき作品。