お知らせ

2026.8.4

人権侵害等に関する再発防止策

 当社は、2026年8月3日、マンガワン事案及び類似事案(以下、「本件」といいます)を踏まえ設置した第三者委員会より調査報告書を受領いたしました。調査報告書において示された事実認定及び提言を受けて、役員及び従業員の責任明確化並びに再発防止策を取りまとめましたので、以下にお知らせ申し上げます。

 

 改めまして、被害を受けられた方々に心よりお詫び申し上げます。また、読者の皆様、作家・クリエイターの皆様、お取引先様、関係者の皆様に、多大なるご迷惑とご心労をおかけいたしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。

 

 今回取りまとめました再発防止策は、第三者委員会からの提言を具体的な施策へ落とし込み、人権尊重を当社の企業活動の根幹に据え、人権教育、組織風土及び経営体制に至るまで抜本的な改革を進めることを目的としております。

 

 当社は、この度のことを深く反省し、これらの施策を全社一丸となって着実に実行するとともに、その実効性について継続的に検証・改善を行い、二度と同様の事案を発生させない組織への改革を進めてまいります。
 日頃から当社を支えてくださっている皆様に、改めて感謝申し上げます。今後は適切な判断、誠実な行動を一つ一つ積み重ねながら皆様の信頼を取り戻し、企業としての責任を果たしてまいります。

 

株式会社 小学館
代表取締役社長 相賀 信宏


第1 調査報告書の受け止め

 本件は、調査報告書記載の通り、人権に関わる極めて重大な事案であり、被害を受けられた方々への配慮や人権に対する認識・判断、当社のガバナンス及び危機管理体制が問われる問題であると認識しております。
 また、本件を、一部門や一個人の問題ではなく、編集部門における意思決定のあり方や情報共有の仕組み、管理部門の関与、さらには経営による監督機能を含む組織全体の課題として受け止めております。
 当社は、作品やコンテンツを通じて社会に貢献する企業として、読者の皆様、作家・クリエイターの皆様、お取引先様、関係者の皆様との信頼関係の上に成り立っています。しかしながら、本件においては、その社会的責任を十分に果たすことができませんでした。
 当社は、人権尊重を最重要課題の一つと位置づけ、被害を受けられた方々への対応と救済を最優先としながら、以下の通り、組織としての改善と再発防止に責任を持って取り組んでまいります。

 

第2 役員及び従業員の責任について

 調査報告書の事実認定と提言を重く受け止め、経営責任を明確にするため、役員報酬の一部を自主返納します。

代表取締役社長1名  月額報酬の50%を3か月
専務取締役2名    月額報酬の30%を3か月
常務取締役3名    月額報酬の30%を3か月
常務取締役3名    月額報酬の20%を3か月
取締役2名      月額報酬の30%を3か月
取締役13名       月額報酬の20%を3か月
監査役2名      月額報酬の20%を3か月

 従業員の責任に関しては、就業規則に基づき厳格な対応をとります。

 

第3 再発防止策

 当社は、調査報告書の事実認定及び提言に鑑み、下記の再発防止策を実施します。

 

1 基本方針

1. 被害を受けられた方の尊厳及び安全の確保を最優先とします。
2. 人権尊重を第一とする社員教育を行い、人権侵害を許容しない組織風土を確立します。
3. 外部クリエイター等への依頼及び継続判断のプロセスを見直します。
4. 経営陣及び管理部門の監督機能を強化し、ガバナンス及びリスク危機管理体制を整備します。
5. 内部通報制度を活性化するとともにグリーバンスメカニズム(企業活動の中で人権侵害を受けられた方の申告を受け、救済する仕組み)を導入し、被害を受けられた方が声を上げやすい体制を構築します。


2 具体的再発防止策

(1)人権方針の策定、人権委員会の設置、人権デュー・ディリジェンスの実施

・当社は、2026年3月19日、「小学館 人権方針」(以下、「人権方針」といいます)を策定し、表現の自由を尊重しながらも、企画・制作・提供の各段階において、プライバシーを含む基本的人権に配慮する意思を表明しました。

・人権方針に基づいて人権尊重の取り組みを進めるために、当社は、外部専門家を含む人権委員会を設置して、性加害を含む人権侵害、重大なコンプライアンス違反等(以下、「人権侵害等」といいます)の予防・軽減・是正に関する方針を策定します。

・人権委員会では、出版活動全般を対象として人権リスクを体系的に整理・評価するために人権デュー・ディリジェンスを実施します。その結果に基づき、当社の人権侵害に関するリスク分野を具体的に認識するとともに、人権侵害の予防・軽減・是正を推進します。

(2)人権教育の拡充及び組織風土の改革

・全役員及び従業員に対し、人権尊重、性暴力・ハラスメント防止、被害者対応及び通報者制度に関する研修を定期的に実施します。管理職に対してはその役割に応じた意思決定及び監督指導を実施できるように別途の研修プログラムを導入します。また、外部関係者との接触に関するガイドラインを策定してその遵守を求めます。

・人権セミナーを継続的に実施し、社内の人権尊重の意識向上、問題行為を看過しない組織風土を確立します。

・作家、原作者、ライター、その他フリーランスなどの外部クリエイターに対しても人権セミナー等の機会を提供します。

(3)外部クリエイター等への依頼及び継続判断プロセスの見直し

・人権方針の内容及び趣旨について、外部クリエイターその他の取引先に対して継続的に説明し、その理解及び協力を得ていきます。

・当社が外部クリエイターその他の取引先に依頼する際には、契約書に人権尊重についての条項を明記します。

・外部クリエイターその他の取引先に人権侵害等の懸念が生じた場合、担当者が上長や管理部門へ迅速に報告及び相談するルールを明確にします。

・人権侵害等の懸念が生じた場合、外部クリエイターその他の取引先への依頼及び継続を含む意思決定については、編集部門とともに法務室その他の管理部門が関与する組織的な判断プロセス及び権限を明確化します。

・人権侵害等の懸念が生じた場合、依頼及び継続の可否判断においては、被害者保護、再被害防止、及び企業の社会的責任を必須判断要素とします。特に、被害を受けられた方に対して深刻な人権侵害があり、その外部クリエイターその他の取引先への依頼及び継続につき倫理的に許容することができないと判断される場合には、依頼及び継続をいたしません。

・人権侵害等の懸念が生じた場合、会社が事実関係を調査して総合的に判断し、まずは改善要求をし、依頼の可否又は継続停止の要否を決定します。

(4)ガバナンス及び監督体制の強化

・取締役会において、性加害を含む人権侵害、重大なコンプライアンス違反等に関する定期・臨時報告を実施し、経営レベルでの監督を実行します。

・取締役会は、重大な人権侵害等を検知した場合には、当該事案への対応のみならず他の事業部門を含めた類似事案がないかを検証して再発防止策の策定を指示します。

・人権侵害等に関する判断については、リスクマネジメント室及び人権委員会が事前に確認をし、法務室が、事案の重大性、被害者保護及び再発防止の観点を踏まえた相当性の検証を行い、経営陣はその検証結果を尊重します。

・経営陣は、事案の重大性等に鑑み、緊急対策委員会または特別対策委員会を設置します。緊急対策委員会及び特別対策委員会の設置基準、役割分担及び運営方法等に関しては別途社内規程を設けて明確化します。

・人権侵害等の問題の検証及びその解決に向けたフォローアップを行うために、法務室の人的リソースの充実を図るとともに、重大な人権侵害等の事案では外部専門家の助言を得ることを必須とします。

・人権侵害等の関与者に対しては、就業規則等に基づき厳格な対応をとります。

・人権委員会、コンプライアンス委員会、ハラスメント委員会それぞれの役割・権限・連携関係を整理し、重大事案に対して適切に対応できる運営体制を構築します。各委員会の決定事項及び議論の内容を議事録に記録して保存します。各委員会の委員には、必要な研修等を行い、実効性を高めます。

・人権侵害等に関する判断を行う場合には、必要資料、審議事項及び議事録記載事項を明確化し、判断過程の透明性及び事後検証可能性を確保します。

(5)通報・相談・調査体制の整備

・通報制度に加え、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従ってグリーバンスメカニズムを導入することにより、当社と直接的な契約関係の有無にかかわらず人権侵害等の被害を受けられた方その他のステークホルダーが申立てを行い、対話、是正及び救済につなげることができる体制を構築します。

・グリーバンスメカニズムの運用においては客観的判断を確保するため、外部人権専門家の意見を反映する仕組みを導入します。

・既存の通報窓口(ハラスメント、コンプライアンス、フリーランス法対応の通報窓口)を再整備し、匿名通報、外部窓口利用及び被害申告後の保護措置を明確にします。

・性加害事案については専門的対応フローを定め、迅速な事実確認を行い、被害を受けられた方が希望した場合には心理カウンセリングを提供するなどの被害者支援を充実させます。

・重大な人権侵害等発生時には、外部専門家の関与を原則化し、調査の独立性・中立性を担保します。

・各種通報制度については、標準対応手順を文書化し、全役員及び従業員、主なステークホルダーに対して、対象となる事案、利用方法及び相談後の基本的な流れについて継続的に周知し、制度の実効性を高めます。周知方法はWeb等を通じて実施する他、取引先等に対しては取引開始時に案内する制度を導入します。

・通報または相談があった事案については、受付件数、相談類型、対応状況の概要を適切に記録・管理し、制度の利用状況及び実効性の検証に活用できる体制を構築します。

 当社は、再発防止策の実効的実施状況及びその有効性についてリスクマネジメント室を中心に、人権委員会と連携しながら継続的に検証し、各施策の推進及び有効性の検証を行い、取締役会へ進捗を報告します。また、この再発防止策は必要に応じて改善してまいります。

 

第4 今後に向けて

 当社は、本件が一過性の問題ではなく、人権尊重、ガバナンス及び組織運営のあり方そのものが問われている経営課題であると認識しています。
 今後は、被害を受けられた方々への対応と救済を最優先としながら、この再発防止策を着実に実行し、適切に公表してまいります。
 また、第三者委員会からの提言を真摯に受け止め、人権教育、組織風土及び経営体制に至るまで抜本的な改革に取り組みます。

以上

*英語版は、後日掲出いたします。

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