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2021.4.25
廃墟になった遊園地で暮らし続ける少女の秘密とは?『迷子の星たちのメリーゴーラウンド』
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キーワード: 小説 児童文学 ファンタジー 六七質
新鋭の児童文学作家・日向理恵子さんによる連作短編形式のファンタジー!
「雨ふる本屋シリーズ(童心社)」「火狩りの王シリーズ(ほるぷ出版)」などで人気を集める著者の最新作は、『迷子の星たちのメリーゴーラウンド』。
子どもたちの孤独に寄り添った幻想的な物語を、連作短編形式で綴る。
廃墟の遊園地――創業者の幽霊が出る、宇宙人が基地に使っているなど、何年も前からあやしげなうわさが絶えない。
実はそこには、不思議な少女・ミカがひとりぼっちで住んでいた。
いよいよ遊園地のとり壊しが決まった年、街では奇妙な現象が続発し小中学校は閉鎖した。
«「きっと来てくれます。すくない人数とはいえ、われわれからの呼びかけにこたえてくれたのですから」
夏がはじまった空の下、時間の止まった遊園地のなかで、動いているのはミカと風船、そして職員であるユタニさんだけだ。
赤い風船を連れて、ミカは遊園地の路地を歩く。
ここにあるのはすべて、訪れる人を楽しませ、あっとおどろかせ、よろこばせるものばかり。・・・・・・けれどもいま、乗り物たちはどれも沈黙している。ミニ機関車もゲームコーナーも、メリーゴーランドも。あんなにみごとだった木馬たちは、いち早くよそへと買いとられ、一頭も残っていない。地面におろされ、つみかさねられたロケットや空中ブランコたちは、もう二度と空を飛ばない。
「調査によると、この周辺で発行体の目撃、不審な音の発生、そして重力場の混乱とおぼしい小規模な事故などが多発していることはたしかです。そういった現象が十五年前から始まっている。――今回、呼びかけに応じてくれた子どもたちは、全員が十五歳以下です」»
(本文より)
夏休み、ハル、コマコ、コータ、サキ、メグルら五人の子どもたちはミカの呼びかけに応じ、遊園地に向かった。
彼ら五人は、突然人の姿が見えなくなったり、真夜中の神社で謎の世界に入ったり、クジラと交信したりするなど特殊な力を持つがゆえに、周りからおかしな子扱いを受け孤独を感じていた。
この力はいったいどこからきたものなのか――すべての不思議の鍵を握るのはミカ!?
次々と奇妙なことが起こる五人の日記帳をきっかけに、遊園地をめぐる謎ときが始まった・・・・・・。
不思議は日常のすぐそばにある。
もう周りと違う自分に悩まなくていい。
新しい心の窓を開く、夢のようなひと夏の物語。
表紙を彩るイラストや挿絵は緻密で繊細な描写と独特の色使いで多くのファンをもつ六七質さん。
どこか懐かしく幻想的な世界観は、こんな遊園地に行ってみたい!と思わせる美しさ。
【プロフィール】
〈著者〉
日向理恵子(ひなた・りえこ)
児童文学作家。主な著書に「雨ふる本屋」シリーズ(童心社)、アニメ化進行中の「火狩りの王」シリーズ(ほるぷ出版)など。
〈絵〉
六七質(むなしち)
イラストレーター。画集「六七質アートワークス層窟祭(そうくつまつり)」(パイ インターナショナル)ほか、多くの装画や挿絵を手がける。「えんとつ町のプペル」(にしのあきひろ著/幻冬舎)ではメインイラストレーターを務める。
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