お知らせ

2017.12.16

編集魔・手塚治虫の描き換えの変遷を〝ムシの眼〟で追った『僕らが愛した手塚治虫 [3]』

この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。

キーワード: 漫画 手塚治虫 エッセイ

編集魔・手塚治虫の描き換えの変遷を〝ムシの眼〟で追った『僕らが愛した手塚治虫 [3]』

人間・手塚治虫の息づかいをクローズ・アップした長編エッセイ

漫画の神様・手塚治虫の足跡を追ううちに長じてミステリ作家となった著者が、溢れ出る手塚への愛と造詣を綴った長編エッセイシリーズ。

少年期からの手塚体験を、最近の研究結果も交え編年ごとに描く文庫化第3弾!

 

「基本的に、この評伝は手塚治虫の業績を編年的に追いかけており、[1][2]を通じて、おおよそ1959(昭和34)年から70(昭和45)年をまでを語ってきました。今回は71年から74年を話題としておりますが、[1]と[2]でもそうだったように、時には時事的なネタを取り上げたり、特別な作品に着目して脱線したりすることもあります」

 

編集魔として知られる手塚の描き換えの変遷、コミックス刊行に際してカットされたシーンを〝ムシの眼〟で追いながら、作品に秘められた人間・手塚治虫の息づかいまでをクローズ・アップ!

名作群の読み方が一変する、比類なき探究記です。

 

「驚くべきことに、手塚マンガの研究をしていると、未だに新発見があります。作品リストに載ってないものが見つかったり――僕も何点か見つけて、『僕らが愛した手塚治虫』で紹介しています――新たな意味が解ったり、未知の事績を教えてもらったりと、マニアとしても喜ばしい出来事がよくあるのです。

もちろんこれは、手塚治虫の凄い画業と画歴の結果です。膨大な作品数があり、記録に残っていないものも多く存在するため、まだまだ調査が必要です。

また『僕らが愛した手塚治虫』の中でも何度も指摘していますが、手塚治虫は編集マニアであったので、雑誌の連載から単行本化する時に、作品のあちこちを削除したり描き直したり、ページを入れ替えたりしています。その比較検討も必要なので、単行本や掲載雑誌を――古書として高価だったり、現在数の少ないものを――必死かつ嬉々として――収集せねばなりません。

つまり、この『僕らが愛した手塚治虫』は、手塚治虫の評伝であると共に、私自身のそうしたマニア的行為の記録でもあるのです」

 

少年期からの手塚体験を、最近の研究成果を交えつつ編年ごとに描いていくこのシリーズ、今回は青年劇画の氾濫により低迷を余儀なくされた手塚治虫が、「ブラック・ジャック」「三つ目がとおる」で不死鳥のように少年漫画誌に復活。

「ブッダ」「奇子」で青年向け作品でも脚光を浴びる時期を、活写しています。

当初は連載数回で終了するはずだった「ブラック・ジャック」の謎、連載時と単行本で結末がまったく異なる「奇子」など、興味深いエピソード満載です。

今回も描き替えられたりカットされたりした貴重な全集未収録場面を惜しげもなく掲載!

解説は、テレビアニメ創世記に数々の脚本を描かれた、作家の辻真先さんです。

 

「いっぱしの手塚ファンのつもりなのだが、二階堂さんとは比べものにならない。悔しいが仕方ない」――辻真先(作家)

 

漫画ファン感涙の一冊!!

 

『僕らが愛した手塚治虫 [3]』

著/二階堂黎人

 

★こちらもオススメ!

手塚漫画に魅入られた作家の自伝的探書記!『僕らが愛した手塚治虫 [1]』

手塚漫画に心酔した作家の自伝的探書記続編!『僕らが愛した手塚治虫 [2]』

鉄腕アトム誕生までの物語をノベライズ!『アトム ザ・ビギニング』

手塚治虫が遺した膨大な作品の中から、大人のマンガ読者に読んでほしい短編をテーマ別に選ぶアンソロジー!『手塚治虫 ミステリーファイル』

本来は表に出ないデッサン原稿を集成したオリジナル編集の画集!『手塚治虫デッサン集』

関連リンク