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2016.6.15

片山恭一「セカチュー」以来の青春小説はディストピア×ボブ・ディラン!? 直木賞作家西加奈子による装画もインパクト大! 『なにもないことが多すぎる』

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片山恭一「セカチュー」以来の青春小説はディストピア×ボブ・ディラン!? 直木賞作家西加奈子による装画もインパクト大! 『なにもないことが多すぎる』

若い男子ばかりが死にいたる

原因不明の奇病が猛威をふるう

 

  「愛と死」をテーマに書き続けてきた片山恭一が、『世界の中心で、愛をさけぶ』以来、15年ぶりに男子高校生を主人公に描く! とはいえ、『なにもないことが多すぎる』は「セカチュー」とひと味もふた味も違う青春小説だ。

 

 若い男子ばかりが死にいたる原因不明の奇病が猛威をふるう。まだ人生をはじめたばかりのぼくは、隔離された病室でこんな世界にしてしまった大人たちを呪詛する。でも、それだけではクールじゃない。ぼくはかつてのバンド仲間たちとある行動に出る・・・。

 

 本作では、3つの話が交互に語られ、次第に化学反応を起こしていく。

 

1. 若い男子ばかりが死んでしまうディストピアを、男子高校生が大好きなボブ・ディランを命綱のようにして生き続け、かつてのバンド仲間たちとある行動に出るというパート。

 

2. 地上から少し離れた、どこか匿名の場所から、世界の有り様をラディカルかつ軽妙に語り続ける、ジョー・パブリックという男のパート。

 

3. ボブ・ディランに関しての短い考察を加えたパート。

 

  「なにもないことが多すぎる」はボブ・ディランの曲に実際にあるもの。意味深なタイトルと同じく、心の奥に、今までに感じたことのない後味を残す。

 

 装丁画は、『サラバ!』で直木賞を受賞した作家・西加奈子。表題にアリクイの絵が絡み、その目ヂカラに一瞬、目が止まる! アリクイの目は、拗ねていたり、世を倦んでいるようで、どこか見ているこちら側の深奥をのぞき込んでくるような、強くて深い眼差しで縁取られているかのよう。

 

 死が当たり前のように身の周りを包むとき、人は・・・新たな体験から新たな視点が生まれる異色作!

 

『なにもないことが多すぎる』

著/片山恭一

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