お知らせ
2016.3.10
カラヴァッジョ、レンブラント、フェルメール・・・革新的時代の様相を、"斬新な視点"で読み直す!『西洋絵画の歴史 2 バロック・ロココの革新』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
バロック・ロココの時代は絵画に何をもたらしたのか?
諸芸術のなかで、最も安定した不動性を保っているのは建築であり、逆に絶えず変化してやまないものは音楽である。そこから、芸術のさまざまなジャンルのあいだで、古典主義の時代には建築にむかって、バロックの時代には音楽に向かって「引力」が働くという興味深い指摘が生まれてくる。事実、文化史家エウヘニオ・ドールスは、「諸芸術のあいだに『引力』の作用という法則」があるとして、次のように述べている。
<古典主義的な時代においては、音楽は詩的になり、詩は絵画的になり、絵画は彫刻的になり、そして彫刻は建築的となる。これに対して、バロック的傾向の強い時代においては、この引力の法則は逆の方向に働く。すなわち建築家は彫刻家となり、彫刻は絵画的になり、絵画と詩は音楽固有の律動的色彩を示すようになる・・・・・・>
宗教改革と対抗宗教改革、市民社会の隆盛などヨーロッパ社会を揺るがす大きな時代の流れの中で、絵画もまた大きく変容する。風俗画や風景画、静物画などの新しいジャンルが生まれ、絵画がもつ意味や役割が広がるとともに細分化されていく。
カラヴァッジョやレンブラント、フェルメール、ベラスケスらの活躍によってヨーロッパ中を席巻したバロック絵画。ヴァトーやフラゴナール、シャルダン、ティエポロらが宮廷や私邸を華やかに彩ったロココ絵画。そして、ホガースやレノルズ、ゲインズバラらによって独自の輝きを放ったイギリス絵画。
15世紀ルネサンスから20世紀までの西洋絵画の歴史を、数多くの美麗な作品図版、詳細な図解でたどる、『西洋絵画の歴史』全3巻のうち、待望の第2巻が登場! 複雑な時代の様相を、数多くの美麗な図版とともに丁寧にわかりやすく概観していく、これまでになかった画期的な入門書です!
小学館101ビジュアル新書
監/高階秀爾 著/高橋裕子
関連リンク