神保町シアター

上映中の特集企画

映画に生きる――田中絹代

*一部の作品に画・音の不良箇所がありますことを予めご了承ください

「デジタル上映」の記載がない作品は、全て35mmフィルムでの上映となります

1. 流転の王妃 [4Kデジタル修復版]

S35('60)/大映東京/カラー/1時間42分

監督:田中絹代原作:愛新覚羅浩脚本:和田夏十撮影:渡辺公夫音楽:木下忠司美術:間野重雄出演:京マチ子、船越英二、金田一敦子、東山千栄子、沢村貞子、三宅邦子、笠智衆

満州国皇帝溥儀の弟、溥傑に嫁ぎ波乱の半生を送った愛新覚羅浩の自伝の映画化で、田中の監督第四作。海を越え王妃となった女性の数奇な運命を、日本を代表する女性映画人が監督、脚本、主演を務めて描く歴史大作。

*デジタル上映

11月9日(土)11:00
11月10日(日)17:50
11月11日(月)16:40
11月12日(火)14:15
11月13日(水)12:00
11月14日(木)14:15
11月15日(金)19:15

©KADOKAWA1960

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2. 女の暦

S29('54)/新東宝/白黒/1時間39分

監督:久松静児原作:壺井栄『暦』脚本:井手俊郎、中河百々代撮影:鈴木博音楽:斎藤一郎美術:下河原友雄出演:香川京子、杉葉子、田中絹代、轟夕起子、花井蘭子、三好栄子

美しい小豆島を背景に、庶民派の巨匠が描く珠玉の女性映画。法事で久しぶりに実家に集まった姉妹たちが、それぞれの人生を語りだす――。第8回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にも出品された。

*デジタル上映

11月9日(土)13:15
11月10日(日)11:00
11月11日(月)19:15
11月12日(火)16:30
11月13日(水)14:15
11月14日(木)19:30
11月15日(金)12:00

©国際放映

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3. 山椒大夫

S29('54)/大映京都/白黒/2時間4分

監督:溝口健二原作:森鴎外脚本:八尋不二、依田義賢撮影:宮川一夫音楽:早坂文雄美術:伊藤熹朔出演:田中絹代、香川京子、花柳喜章、進藤英太郎、河野秋武、菅井一郎

平安時代、厨子王と安寿の兄妹は人買いにさらわれて酷使され…。説話に材を得た鴎外の小説の映画化。ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた不朽の名作。兄妹と離れ離れになった母役の田中の静かな熱演が胸をうつ。

11月9日(土)15:30
11月10日(日)13:15
11月11日(月)12:00
11月12日(火)19:15
11月13日(水)16:30
11月15日(金)14:15

©KADOKAWA1954

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4. 楢山節考 [デジタル修復版]

S33('58)/松竹大船/カラー/1時間38分

監督・脚本:木下惠介原作:深沢七郎撮影:楠田浩之音楽:杵屋六左衛門、野沢松之輔美術:伊藤熹朔出演:田中絹代、高橋貞二、望月優子、宮口精二、伊藤雄之助、東野英治郎、市川團子

村の掟に従い、70歳になった老婆おりんは楢山に行くことを望んでいた…。姥捨ての因習が生む悲劇を、全編セットで歌舞伎の手法を用いた様式美で描く野心作。老婆に扮する田中は、菩薩のような神々しさを滲ませる。

*デジタル上映

11月9日(土)18:00
11月10日(日)15:45
11月11日(月)14:30
11月12日(火)12:00
11月13日(水)19:15
11月14日(木)12:00
11月15日(金)16:45

©1958松竹/2012 松竹株式会社

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5. 月は上りぬ [4Kデジタル復元版]

S29('54)/日活/白黒/1時間42分

監督:田中絹代脚本:斎藤良輔、小津安二郎撮影:峰重義音楽:斎藤高順美術:木村威夫出演:北原三枝、杉葉子、山根寿子、三島耕、佐野周二、笠智衆、田中絹代

妻に先立たれた茂吉(笠)は三姉妹の娘と暮らしていたが、年頃を迎えた彼女たちにも結婚適齢期が訪れ――。美しい古都を背景に、松竹の巨匠・小津が手掛けた脚本を得て、日活でメガホンを取った田中の監督第二作。

*デジタル上映

11月16日(土)11:00
11月17日(日)18:00
11月18日(月)16:45
11月20日(水)14:30
11月21日(木)19:15
11月22日(金)12:00

©日活

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6. 太夫さんより  女体は哀しく

S32('57)/宝塚映画/カラー/1時間53分

監督:稲垣浩原作:北條秀司『太夫(こったい)さん』脚本:八住利雄撮影:岡崎宏三音楽:深井史郎美術:伊藤熹朔、植田寛出演:田中絹代、乙羽信子、淡路恵子、扇千景、東郷晴子、環三千世、小沢栄太郎

戦後の京都・島原遊廓を舞台に、壮絶な人生に翻弄される女たちの姿を描いた群像劇。その確かな演出で名作を数多く残した、稲垣監督が描く女性映画の名篇。田中・乙羽をはじめ、女優陣の熱演が胸を打つ。

11月16日(土)13:15
11月17日(日)11:00
11月18日(月)19:15
11月20日(水)16:40
11月21日(木)12:00
11月22日(金)14:15

©1957東宝

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7. おとうと

S35('60)/大映東京/カラー/1時間38分

監督:市川崑原作:幸田文脚本:水木洋子撮影:宮川一夫音楽:芥川也寸志美術:下河原友雄出演:岸恵子、川口浩、森雅之、田中絹代、岸田今日子、浜村純、仲谷昇

奔放に生きる弟と喧嘩も辞さず親身に面倒をみる姉。そんな時、弟が結核に罹ったことがわかり…。幸田文の自伝的小説を映画化した感涙の名作。絆深い姉弟に冷淡で体の不自由な継母を田中が演じ、強い印象を残す。

*デジタル上映

11月16日(土)15:35
11月17日(日)13:20
11月18日(月)12:00
11月20日(水)19:15
11月21日(木)14:25
11月22日(金)16:40

©KADOKAWA1960

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8. サンダカン八番娼館  望郷

S49('74)/東宝=俳優座/カラー/2時間1分

監督:熊井啓原作:山崎朋子『サンダカン八番娼館』脚色:廣澤栄、熊井啓撮影:金宇満司音楽:伊福部昭美術:木村威夫出演:田中絹代、栗原小巻、高橋洋子、水の江滝子、梅沢昌代、岩崎加根子、浜田光夫

南方の娼館に売られた女たち“からゆきさん”の壮絶な体験を綴ったルポの映画化。田中は体験者の老婆役で、ベルリン映画祭最優秀女優賞を受賞し晩年の代表作とするなど、その鬼気迫る演技は国内外で高く評価された。

11月16日(土)17:45
11月17日(日)15:30
11月18日(月)14:15
11月20日(水)12:00
11月21日(木)16:30
11月22日(金)19:15

©1974東宝

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9. 乳房よ永遠なれ [4Kデジタル復元版]

S30('55)/日活/白黒/1時間50分

監督:田中絹代原作:若月彰、中城ふみ子脚本:田中澄江撮影:藤岡粂信音楽:齋藤熄美術:中村公彦出演:月丘夢路、森雅之、葉山良二、杉葉子、大坂志郎、安部徹、川崎弘子、田中絹代

31歳で夭逝した女流歌人の評伝を、成瀬巳喜男監督作品などで知られる田中澄江が脚色し映画化。女心の機微に触れる女性監督ならではの演出が光り、若くして乳がんに倒れた主人公役の月丘が魂の熱演をみせた。

*デジタル上映

11月23日(祝・土)11:00
11月24日(日)17:50
11月25日(月)16:40
11月26日(火)14:20
11月27日(水)12:00
11月28日(木)19:15
11月29日(金)12:00

©日活

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10. お吟さま [4Kデジタルリマスター版]

S37('62)/文芸プロ、にんじんくらぶ/カラー/1時間41分

監督:田中絹代原作:今東光脚本:成沢昌茂撮影:宮島義勇音楽:林光美術:大角純平出演:有馬稲子、仲代達矢、高峰三枝子、中村鴈治郎(二代目)、冨士眞奈美、月丘夢路、滝沢修

茶道の名匠・千利休の娘・吟は、キリシタン大名の高山右近に想いを寄せるが、右近には妻がいた…。時代に翻弄されながらも愛を貫く一人の女の姿を繊細に描いた田中の監督第六作で、これが最後の監督作となった。

*デジタル上映

11月23日(祝・土)13:15
11月24日(日)11:00
11月25日(月)19:15
11月26日(火)16:40
11月27日(水)14:15
11月28日(木)12:00
11月29日(金)14:15

©1962松竹/2021 松竹株式会社

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11. 簪

S16('41)/松竹大船/白黒/1時間15分

監督:清水宏原作:井伏鱒二『四つの湯槽』脚本:長瀬喜伴撮影:猪飼助太郎音楽:浅井挙曄美術:本木勇出演:田中絹代、川崎弘子、笠智衆、斎藤達雄、日守新一、坂本武

様々な客が滞在する鄙びた温泉宿で、一本の簪から淡い恋が芽生えるが…。夏の温泉場での人間模様を、ユーモアと繊細な抒情で綴る清水宏の珠玉の逸品。田中は東京から来た訳ありの女を愛らしくも儚げに演じる。

11月23日(祝・土)15:30
11月24日(日)13:15
11月25日(月)12:00
11月26日(火)19:15
11月27日(水)16:30
11月28日(木)14:15
11月29日(金)16:30

©1941松竹

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12. 流れる

S31('56)/東宝/白黒/1時間56分

監督:成瀬巳喜男原作:幸田文脚本:田中澄江、井手俊郎撮影:玉井正夫音楽:斎藤一郎美術:中古智出演:山田五十鈴、田中絹代、高峰秀子、岡田茉莉子、杉村春子、栗島すみ子

移り行く柳橋の花柳界で新旧の芸者たちの人生が交錯する――。芸者置屋を主な舞台に、成瀬の周到な演出の下、歴代の名女優陣の演技合戦から目が離せない群像劇の傑作。住み込み家政婦を田中がきびきびと演じて見事。

11月23日(祝・土)17:45
11月24日(日)15:30
11月25日(月)14:15
11月26日(火)12:00
11月27日(水)19:15
11月28日(木)16:30
11月29日(金)19:15

©1956東宝

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13. 恋文 [4Kデジタルリマスター版]

S28('53)/新東宝/白黒/1時間38分

監督:田中絹代原作:丹羽文雄脚本:木下惠介撮影:鈴木博音楽:斎藤一郎美術:進藤誠吾出演:森雅之、久我美子、香川京子、宇野重吉、道三重三、田中絹代

終戦間もない渋谷・恋文横丁。復員して代筆屋になった礼吉(森)は、かつての恋人と再会するが…。新聞連載小説を巨匠・木下惠介が脚本にして映画化した田中の初監督作で、カンヌ国際映画祭にも出品された。

*デジタル上映

11月30日(土)11:00
12月1日(日)18:10
12月2日(月)16:50
12月3日(火)14:35
12月4日(水)12:00
12月5日(木)19:15
12月6日(金)16:50

©国際放映

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14. 女ばかりの夜 [4Kリマスター版]

S36('61)/東京映画/白黒/1時間32分

監督:田中絹代原作:梁雅子『道あれど』脚色:田中澄江撮影:中井朝一音楽:林光美術:小島基司出演:原知佐子、北あけみ、夏木陽介、沢村貞子、浪花千栄子、淡島千景、香川京子

戦後の混乱で街娼となり、更生施設を経て社会復帰を目指す女性たちの苦難――。焼け跡の街娼たちを描いた名作・溝口健二監督『夜の女たち』主演の田中が、女性脚本家と組み鋭い目線で描き出した社会派女性映画。

*デジタル上映

11月30日(土)13:15
12月1日(日)11:00
12月2日(月)19:15
12月3日(火)16:40
12月4日(水)14:15
12月5日(木)12:00
12月6日(金)19:15

©1961東宝

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15. お遊さま

S26('51)/大映京都/白黒/1時間33分

監督:溝口健二原作:谷崎潤一郎『蘆刈』脚本:依田義賢撮影:宮川一夫音楽:早坂文雄美術:水谷浩出演:田中絹代、乙羽信子、堀雄二、柳永二郎、進藤英太郎、平井岐代子

妹の見合いに同行した姉に、縁談相手の男は惹かれ…。溝口が名カメラマン宮川と初めて組んだ作品で、美しい姉妹と一人の男の微妙な三角関係が夢幻的な映像美で描かれる。姉を演じた田中の凛とした美しさが際立つ。

*デジタル上映

11月30日(土)15:30
12月1日(日)13:15
12月2日(月)12:00
12月3日(火)19:15
12月4日(水)16:30
12月5日(木)14:15
12月6日(金)12:00

©KADOKAWA1951

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16. 渡り鳥いつ帰る

S30('55)/東京映画/白黒/2時間9分

監督:久松静児原作:永井荷風『春情鳩の街』『にぎりめし』『渡り鳥いつかへる』脚本:八住利雄構成:久保田万太郎撮影:高橋通夫、玉井正夫音楽:團伊玖磨美術:伊藤熹朔出演:田中絹代、森繁久彌、高峰秀子、久慈あさみ、桂木洋子、淡路恵子、岡田茉莉子

東京・下町の赤線「鳩の街」で体を張って生きる女達を豪華女優陣が演じた風俗ドラマ。数ある赤線ものの中でも文芸色の強い一本で、遊廓を切り盛りする森繁・田中コンビと女優たちの掛け合いも贅沢。

11月30日(土)17:45
12月1日(日)15:30
12月2日(月)14:15
12月3日(火)12:00
12月4日(水)19:15
12月5日(木)16:30
12月6日(金)14:15

©1955東宝