神保町シアター

上映中の特集企画

没後10年・原節子
原節子をめぐる16人の映画監督

*一部の作品に画・音の不良箇所がありますことを予めお詫び申しあげます

「デジタル上映」の記載がない作品は、全て35mmフィルムでの上映となります

1. 河内山宗俊

S11('36)/日活京都/白黒/1時間22分

監督:山中貞雄脚本:三村伸太郎撮影:町井春美音楽:西梧郎出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、原節子、市川扇升、高勢実乗、山岸しづ江

早世の天才監督・山中貞雄が遺した名作に、デビュー間もない原が出演した貴重な一作。甘酒屋の娘(原)が弟の借金のために身売りすると聞き、二人の無頼漢が立ち上がる――。15歳の原の神話的ともいえる美しさが忘れられない。

3月8日(土)11:00
3月9日(日)17:45
3月10日(月)16:30
3月11日(火)14:15
3月12日(水)12:00
3月13日(木)19:15
3月14日(金)16:30

©日活

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2. 巨人傳

S13('38)/東宝/白黒/2時間7分

監督・脚本:伊丹万作原作:ビクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』(クレジット無)撮影:安本淳音楽:飯田信夫装置:北猛夫出演:原節子、大河内傳次郎、堤真佐子、丸山定夫、片桐日名子、佐山亮

伊丹十三の実父であり、脚本家としても高い評価を受けた戦前の名匠・伊丹の遺作。『レ・ミゼラブル』を翻案した異色の人間ドラマで、剣戟スターの大河内がジャン・バルジャンの役柄を熱演し、コゼットの役柄を原が可憐に演じた。

3月8日(土)13:15
3月9日(日)11:00
3月10日(月)19:00
3月11日(火)16:30
3月12日(水)14:15
3月13日(木)12:00
3月14日(金)19:00

©1938東宝

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3. 安城家の舞踏會

S22('47)/松竹大船/白黒/1時間30分

監督・原作:吉村公三郎脚本:新藤兼人撮影:生方敏夫音楽:木下忠司美術:浜田辰雄出演:森雅之、原節子、滝沢修、津島恵子、逢初夢子、清水将夫、神田隆、殿山泰司

女性映画の名手として知られる吉村が、チェーホフの戯曲『桜の園』を下地にした新藤の脚本を得て、終戦から僅か2年後に撮り上げた没落華族ものの名作。松竹初出演の原は、新たな時代を生き抜こうと苦心する当主の次女役を好演。

3月8日(土)15:50
3月9日(日)13:35
3月10日(月)12:00
3月11日(火)19:15
3月12日(水)16:50
3月13日(木)14:35
3月14日(金)12:00

©1947松竹

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4. 青い山脈

S24('49)/東宝、藤本プロ/白黒/1時間32分

監督:今井正原作:石坂洋次郎脚本:今井正、井手俊郎撮影:中井朝一音楽:服部良一美術:松山崇出演:原節子、木暮実千代、池部良、杉葉子、伊豆肇、龍崎一郎、若山セツコ、藤原釜足

骨太の社会派ドラマから艶やかなメロドラマまで幅広いジャンルにおいて名作を残した今井監督の出世作。田舎町の女子高を舞台に、自由恋愛をめぐり巻き起こる騒動を軽快に描く。原は都会から来た進歩的な女教師を印象深く演じた。

3月8日(土)17:45
3月9日(日)15:30
3月10日(月)14:15
3月11日(火)12:00
3月12日(水)19:15
3月13日(木)16:30
3月14日(金)14:15

©1949東宝

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5. お嬢さん乾杯 [シネスコ版]

S24('49)/松竹大船/白黒/1時間30分

監督:木下惠介脚本:新藤兼人撮影:楠田浩之音楽:木下忠司美術:小島基司出演:原節子、佐野周二、東山千栄子、佐田啓二、坂本武、青山杉作、村瀬幸子

没落華族の令嬢(原)と戦後成金の男(佐野)との縁談を皮肉交じりに描いた戦後風刺コメディの傑作で、原が唯一出演した木下惠介監督作品。佐野の大げさな田舎者ぶりや、原のキュートなコメディエンヌぶりなど見所満載。

3月15日(土)11:00
3月16日(日)18:50
3月17日(月)15:00
3月19日(水)11:30
3月20日(祝・木)18:50
3月21日(金)17:40

©1949松竹

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6. 女醫の診察室

S25('50)/新東宝、滝村プロ/白黒/1時間29分

監督:吉村廉原作:常安田鶴子脚本:小國英雄撮影:三村明音楽: 斎藤一郎美術:安倍輝明出演:原節子、上原謙、風見章子、三宅邦子、河津清三郎、村瀬幸子、津山路子

病を抱えながらも仕事に熱意を燃やす女医(原)は、かつての恋人と再会するが――。自身も医師だった常安田鶴子の原作を、名脚本家・小國がシナリオにして映画化したメロドラマ。監督の吉村は歌謡映画のヒットメーカーとして活躍した職人監督だった。

*デジタル上映

3月15日(土)13:00
3月16日(日)11:00
3月17日(月)17:00
3月19日(水)13:30
3月20日(祝・木)11:00
3月21日(金)19:35

©国際放映

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7. 麥秋

S26('51)/松竹大船/白黒/2時間5分

監督:小津安二郎脚本:野田高梧、小津安二郎撮影:厚田雄春音楽:伊藤d二美術:浜田辰雄出演:原節子、淡島千景、笠智衆、佐野周二、杉村春子、三宅邦子、東山千栄子

小津作品における原の代表作である、いわゆる“紀子三部作”の二作目。長女・紀子(原)の縁談を機に、鎌倉に暮らす三世代家族の間に様々な波紋が広がる。大家族の中で自らの意思を貫く原の、凛とした佇まいが胸を打つ。

3月15日(土)15:00
3月16日(日)13:00
3月17日(月)19:00
3月19日(水)15:30
3月20日(祝・木)13:00
3月21日(金)11:30

©1951松竹

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8. 白痴

S26('51)/松竹大船/白黒/2時間46分

監督:黒澤明原作:ドストエフスキー脚本:久板栄二郎、黒澤明/撮影:生方敏夫音楽:早坂文雄美術:松山崇出演:原節子、森雅之、三船敏郎、久我美子、志村喬、東山千栄子、柳永二郎、千秋実

ロシアの文豪・ドストエフスキーの名作を日本に置き換え映画化した文芸巨篇。原は、森・三船が演じる二人の復員兵を翻弄する政治家の愛人役で、その圧倒的な美貌で妖しい翳を漂わせるファムファタールを演じ魅了した。

3月15日(土)17:30
3月16日(日)15:30
3月17日(月)11:30
3月19日(水)18:30
3月20日(祝・木)15:30
3月21日(金)14:15

©1951松竹

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9. 東京の恋人

S27('52)/東宝/白黒/1時間37分

監督:千葉泰樹脚本:井手俊郎、吉田二三夫撮影:飯村正音楽:飯田信夫美術:北猛夫、浜上兵衛出演:原節子、三船敏郎、杉葉子、小泉博、森繁久彌、清川虹子、河村黎吉、飯田蝶子

原が珍しくカジュアルな服装で銀座の路上の似顔絵描きを演じた、絶品の都会派コメディ。戦前から活躍する多作の監督ながら「大番シリーズ」など手堅い演出でヒット作も多い千葉監督が手掛け、森繁・三船ら顔ぶれも豪華。

3月22日(土)11:00
3月23日(日)17:45
3月24日(月)16:30
3月25日(火)14:15
3月26日(水)12:00
3月27日(木)19:15
3月28日(金)16:30

©1952東宝

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10. 山の音

S29('54)/東宝/白黒/1時間34分

監督:成瀬巳喜男原作:川端康成脚本:水木洋子撮影:玉井正夫音楽:斎藤一郎美術:中古智出演:原節子、山村聰、上原謙、長岡輝子、杉葉子、中北千枝子、丹阿弥谷津子

家庭を顧みない夫との冷え切った関係に疲れた菊子(原)は、同居する舅(山村)から寄せられる愛情に癒されていた――。安定の水木脚本×成瀬演出による家庭劇ながら、川端原作ならではの文学的エロチシズムが匂い立つ問題作。

3月22日(土)13:15
3月23日(日)11:00
3月24日(月)19:15
3月25日(火)16:30
3月26日(水)14:15
3月27日(木)12:00
3月28日(金)19:15

©1954東宝

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11. ノンちゃん雲に乗る

S30('55)/新東宝/白黒/1時間24分

監督:倉田文人原作:石井桃子脚本:村山節子、倉田文人撮影:小原譲治音楽:飯田信夫美術:山手健出演:鰐淵晴子、原節子、藤田進、徳川夢声、大泉滉

木から落ちた拍子にノンちゃんは雲の世界へ――。戦後を代表する児童文学作家・石井桃子の出世作でありベストセラーの同名小説を原作としたファンタジーもの。伝説的な美少女だった子役時代の鰐淵が主演し、その母を原が演じた。

*デジタル上映

3月22日(土)15:30
3月23日(日)13:15
3月24日(月)12:00
3月25日(火)19:15
3月26日(水)16:30
3月27日(木)14:15
3月28日(金)12:00

©国際放映

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12. 智恵子抄

S32('57)/東宝/白黒/1時間38分

監督:熊谷久虎原作:高村光太郎脚本:八住利雄撮影:小原譲治音楽:團伊玖磨美術:清水喜代志出演:原節子、山村聰、青山京子、太刀川洋一、三津田健、三好栄子、柳永二郎

詩人で彫刻家の高村光太郎が妻・智恵子について綴った詩集『智恵子抄』を、名脚本家・八住利雄がシナリオとし映画化した文芸映画。原は、敬愛していた義兄・熊谷の演出のもと、繊細で純真な智恵子を全身全霊で演じた。

3月22日(土)17:45
3月23日(日)15:30
3月24日(月)14:15
3月25日(火)12:00
3月26日(水)19:15
3月27日(木)16:30
3月28日(金)14:15

©1957東宝

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13. 女であること

S33('58)/東京映画/白黒/1時間40分

監督:川島雄三原作:川端康成脚本:田中澄江、井手俊郎、川島雄三撮影:飯村正音楽:黛敏郎美術:小島基司出演:原節子、森雅之、久我美子、香川京子、三橋達也、石浜朗、丹阿弥谷津子

女性映画もお得意だった鬼才・川島の川端もの。倦怠期の中年夫婦は、成り行きから二人の若い娘と同居することになり、生活は一変する――。美輪明宏が歌い上げる主題歌も、予想外の原のキスシーンも、とにかく刺激的!

3月29日(土)11:00
3月30日(日)17:45
3月31日(月)16:30
4月1日(火)14:15
4月2日(水)12:00
4月3日(木)19:15
4月4日(金)16:30

©1958東宝

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14. 路傍の石

S35('60)/東京映画/白黒/1時間44分

監督:久松静児原作:山本有三脚色:新藤兼人撮影:杉本正二郎音楽:斎藤一郎美術:伊藤熹朔、島康平出演:原節子、太田博之、三橋達也、森繁久彌、滝田裕介、滝花久子、山茶花究

明治末期、成績優秀ながら貧しさから進学せず奉公に出た少年が、苦難を乗り越え成長していく姿を描く。庶民派の巨匠・久松がメガホンを取った3度目の映画化で、松竹版では山田五十鈴が演じた主人公の母役を原が演じた東宝版。

3月29日(土)13:15
3月30日(日)11:00
3月31日(月)19:15
4月1日(火)16:30
4月2日(水)14:15
4月3日(木)12:00
4月4日(金)19:15

©1960東宝

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15. ふんどし医者

S35('60)/東宝/白黒/1時間56分

監督:稲垣浩原作:中野実(戯曲)脚本:菊島隆三撮影:山田一夫音楽:團伊玖磨美術:中古智出演:森繁久彌、原節子、山村聰、江利チエミ、夏木陽介、志村喬

時は幕末。宿場町で貧しい者たちを助ける名医と、博打好きのその妻の、型破りな日常を描く。千恵蔵プロ出身で戦前から時代劇の名手として活躍した稲垣監督は、本作のような人間味豊かな人物を描いた人情ものでも手腕を発揮した。

3月29日(土)15:30
3月30日(日)13:15
3月31日(月)12:00
4月1日(火)19:15
4月2日(水)16:30
4月3日(木)14:15
4月4日(金)12:00

©1960東宝

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16. 慕情の人

S36('61)/東宝/カラー/1時間36分

監督:丸山誠治原作:井上靖『揺れる耳飾り』脚本:岡田達門、田波靖男撮影:太田幸男、安本淳音楽:斎藤一郎美術:植田寛出演:三橋達也、原節子、白川由美、滝田裕介、伊豆肇、岡村文子、賀原夏子

運動具店を切り盛りしながら亡き夫の家族を養う耿子(原)には、密かに想いを寄せる男性が――。丸山監督は『太平洋奇跡の作戦 キスカ』等の戦争映画で知られているが、本作のようなメロドラマや地味な人情ものでも高く評価された。

3月29日(土)17:50
3月30日(日)15:40
3月31日(月)14:20
4月1日(火)12:00
4月2日(水)19:15
4月3日(木)16:40
4月4日(金)14:20

©1961東宝