神保町シアター

S29('54)／大映京都／白黒／スタンダード／1時間26分

■監督：加戸敏■脚本：木下藤吉、吉田哲郎■撮影：武田千吉郎■音楽：山田栄一■美術：太田誠一■出演：入江たか子、坂東好太郎、阿井三千子、杉山昌三九、南条新太郎、霧立のぼる、浪花千栄子、若杉曜子

岡崎城主水野伊勢守の弟、刑部は家督を奪おうと兄を殺害。幼い嫡男とその母、萩の方にも魔の手がのびる……。アクション活劇仕立てで入江たか子が熱演。彼女が主演した怪猫映画5作品の中では最高のヒットを記録した。

＊16mmで上映

S33('58)／大映京都／白黒／シネスコ／59分

■監督：田中徳三■原作：香住春吾■脚本：民門敏雄■撮影：武田千吉郎■音楽：高橋半■美術：菊池修平■出演：梅若正二、近藤美恵子、大和七海路、橘公子、南条新太郎、中田ダイマル、中田ラケット

江戸の町の猫が次々と盗まれ、土屋家の若君の毒味役に使われていた。『赤胴鈴之助』で人気の梅若正二が怪猫と陰謀の謎に挑む。ダイマル・ラケットがコメデ ィ・リリーフ。田中徳三の監督デビュー作で市川雷蔵がノンクレジットで出演。

＊16mmで上映

S12('37)／新興キネマ／白黒／スタンダード／51分

■監督：木藤茂■脚本：波多謙治■撮影：川崎常次郎■出演：鈴木澄子、森静子、高山広子、歌川絹枝、国友和歌子、甲斐世津子、市川男女之助

久留米藩主有馬頼貴が寵愛するおたきの方は、奥方千代姫の嫉妬と憎悪から死へ追いやられる。侍女のお仲はその無念を晴らそうと……。同年公開の『佐賀怪猫伝』の大ヒットを受け、新興キネマが社内女優を総動員した鈴木澄子の代表作。

＊上映作品は再公開時に『怪談有馬騒動』と改題された短縮版

S33('58)／東映京都／白黒／シネスコ／1時間12分

■監督：深田金之助■脚本：平井池三■撮影：伊藤武夫■音楽：白木義信■美術：桂長四郎■出演：月形龍之介、大川恵子、霧島八千代、南郷京之助、鈴木澄子、小柴幹治、徳大寺伸、三島雅夫

佐賀藩主鍋島肥前守は囲碁対局中に又七郎を手討ちにした。死体を前に母秋篠は藩主を怨みながら自害、又七郎の愛猫は二人の血潮を舐め怪猫に変身する。戦後映画界から身を引いた鈴木澄子17年ぶりの復帰作で遺作となった。

S43('68)／東映京都／白黒／シネスコ／1時間26分

■監督・脚本：石川義寛■撮影：赤塚滋■音楽：富田勲■美術：井川徳道■出演：内田良平、里見浩太郎、御影京子、名和宏、三島ゆり子、八代万智子、松村達雄、菅原文太

佐賀城で家臣鍋島直茂が城主龍造寺高房を殺す謀反が起きた。難を逃れた奥方は愛猫を抱いて沼に入水自殺、死体は浮かび上がらず「よらずの沼」と恐れられ近づく者が絶えた。斬られた生首や腕が動くシーンがショッキングな本格派怪談。

S33('58)／新東宝／パートカラー／シネスコ／1時間9分

■監督：中川信夫■原作：橘外男『見えない影に』■脚本：石川義寛、藤島二郎■撮影：西本正■音楽：渡辺宙明■美術：黒沢治安■出演：細川俊夫、江島由里子、五月藤江、林寛、和田桂之助、中村龍三郎、北沢典子、芝田新

妻の療養を兼ね田舎の古びた屋敷で開業した医師夫婦。やがて妻は悪夢に苦しまされる。その屋敷では江戸時代に呪われた惨殺事件が……。怪談映画の巨匠・中川監督得意の移動しながらの長廻し演出が観る者の想像力を刺激する。

＊デジタル上映

S13('38)／新興キネマ／白黒／スタンダード／1時間25分

■監督：牛原虚彦■原作：波多謙治■脚本：波多謙治■撮影：高橋武則■音楽：呉守邦■舞踊指導：楳茂都陸平■出演：鈴木澄子、森静子、歌川絹枝、浅香新八郎、高山広子、森光子、梅村蓉子、嵐徳三郎、松本泰輔、伴淳三郎

三味線の師匠をめぐる恋の鞘当てから、鈴木澄子扮する女役者に嫉妬された武家娘が非業の死を遂げる。彼女の遺品となった師匠の愛猫の革を張った三味線初音からはただならぬ妖気が……。武家娘の妹役を当時15歳の森光子が好演。

＊再公開時に『恩讐謎の怪猫』と改題

S35('60)／新東宝／カラー／シネスコ／1時間15分

■監督：石川義寛■原作：橘外男『私は呪われている』■脚本：石川義寛、藤島二郎■撮影：河崎喜久三■音楽：渡辺宙明■美術：黒沢治安■出演：伊達正三郎、北沢典子、杉寛、五月藤江、中村虎彦、松浦浪路、芝田新、沼田曜一

山中で迷った忠彦と啓子は代官屋敷跡の廃屋に迷い込み、啓子はそこでお玉が池の猫の怨霊に取り憑かれる。その猫は百年前、代官に惨殺された名主一家に飼われていた。怪猫が矢継ぎ早に起こす恐怖の復讐シーンから目が離せない。

＊デジタル上映