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これまでの特集企画
上映期間:2007年10月20日(土)〜11月2日(金)
川本三郎編 映画の昭和雑貨店2
「昭和30年代ノスタルジア」『ALWAYS 続・三丁目の夕日』公開記念
評論家・川本三郎による特集プログラム第2弾
今回は昭和三十年代の暮しが描かれている作品を選びました卓袱台や縁側があった頃 川本三郎
昭和三十年代は、戦前から受継がれてきた生活習慣や生活道具、あるいは風俗が徐々に消えていった時期である。「卓袱台のある暮し」「縁側のある暮し」という祖父母の代から続けられていた生活がなくなっていった。いま昭和三十年代が懐しく振り返られるのはそのためだろう。
当時の映画をいま見ると物語もさることながら懐しい暮しに目がゆくことが多い。物干台、蚊張、火鉢、あるいは夜汽車、そばの出前。東京の人間に親しまれたお化け煙突や佃の渡し、都電も東京オリンピックの頃に消え始めた。向島の鳩の街や深川の洲崎パラダイスも。
一方で新しいものも登場した。テレビ、マイカー、団地。まだ素朴な形だったが、これからは暮しがよくなるという明るさがあった。東京タワーはその希望の象徴だった。
今回は、昭和三十年代の暮しがよく描かれている作品を選んだ。「洲崎パラダイス」や「鰯雲」のような名作だけではなく、いまでは語られることの少ない小品を多くしている。昭和三十年代には小さな映画が似合う。――かわもと・さぶろう 評論家上映作品リスト
1.「あした来る人」 昭和30年 日活/白黒
2.「男ありて」 昭和30年 東宝/白黒
3.「渡り鳥いつ帰る」 昭和30年 東京映画/白黒
4.「洲崎パラダイス 赤信号」 昭和31年 日活/白黒
5.「永すぎた春」 昭和32年 大映東京/カラー
6.「鰯雲」 昭和33年 東宝/カラー
7.「東京の瞳」 昭和33年 大映東京/カラー
8.「巨人と玩具」 昭和33年 大映東京/カラー
9.「一粒の麦」 昭和33年 大映東京/カラー
10.「たそがれの東京タワー」 昭和34年 大映東京/白黒
11.「母のおもかげ」 昭和34年 大映東京/白黒
12.「東京の孤独」 昭和34年 日活/白黒
13.「二人の息子」 昭和36年 東宝/カラー
14.「婚期」 昭和36年 大映東京/カラー
15.「やっちゃ場の女」 昭和37年 大映東京/カラー
16.「風と樹と空と」 昭和39年 日活/カラー
17.「ALWAYS 三丁目の夕日」 平成17年「ALWAYS 三丁目の夕日」製作委員会/カラー
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