写真家たちがとらえた文化財の記録

国宝ロストワールド

国宝ロストワールド
定価
本体1600円+税
発売日
判型/頁
A5判/112
ISBN
9784093887229
〈 書籍の内容 〉
名写真家たちが捉えていた今はなき国宝の姿
 明治5年、新政府による文化財調査、いわゆる「壬申検査」を機に、様々な機会に撮影されてきた国宝の写真。昭和に入ってからは、多くの著名写真家たちも、作品の被写体として国宝を数多く撮影し、自身の創作意欲や芸術性を投影してきました。
 本書は、明治、大正、昭和に撮影された国宝の写真を、写真史上の意義も踏まえて解説し、掲載するものです。
 これらの写真の中には、文化財整備のゆき渡った現代とは違う姿でとらえられた荒廃した国宝の姿や、第二次世界大戦の戦火の中で消失した国宝も多く、“失われた時代の貴重な国宝の姿"をみることができる写真が多数含まれています。
 記録としての写真の時代から芸術作品としての写真の時代へ。写真家たちはいかに国宝に対峙し、どのような苦労と創意のもとに国宝を撮影してきたのか。その歴史を順を追ってたどることで、国宝の新たな魅力に邂逅し、文化財としての国宝の数奇な運命をも知ることができる、貴重な一冊。
 折しも2020年は文化財保護法制定70周年の記念すべき年。文化財保護への関心が高まる中、是非とも愛読いただきたい書です。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
 1950年の文化財保護法制定から70年を迎える2020年、様々な場面で、文化財保護、国宝保護への機運の高まりがみられると思われます。
 また、この文化財保護法誕生のきっかけとなった、法隆寺金堂壁画の消失から今年(2019年)で70年でもあることから、奈良国立博物館では12月7日から「重要文化財 法隆寺金堂壁画写真ガラス原板」と題する特別展が開催予定。
 本書内でも取り上げている「法隆寺金堂壁画」写真は、まさに“国宝ロストワールド"の象徴的存在であり、展覧会会場でも本書が注目されることが期待されます。

土門拳の幻の名作エッセイ「走る仏像」全文掲載あり。

日本写真史を知る上での貴重な挿図28点を掲載。
〈 目次をみる 〉
目次 CONTENTS

はじめに 国宝ロストワールドへようこそ! 岡塚章子 4

1 日光東照宮 唐門 横山松三郎 8
2 法隆寺 夢殿 横山松三郎 10
3 東大寺 大仏 横山松三郎 12
4 名古屋城 天守 横山松三郎 16
5 長谷の大仏 フェリーチェ・ベアト 18
6 平等院 三枝守富 20   
7 東大寺大仏殿 日下部金兵衛 24
8 知恩院三門 アドルフ・フォルサーリ 28
9 法隆寺金堂 釈迦三尊像 小川一眞 30
10 興福寺 東金堂集合仏像 小川一眞 32
11 興福寺 無著菩薩立像 小川一眞 36
12 彦根城 光村利藻/光村写真部 38
13 興福寺 阿修羅像 工藤利三郎 40
14 法隆寺 玉虫厨子 工藤利三郎 41
15・16 東宮御所 小川一眞 44・45
17 首里城 正殿 鎌倉芳太郎 48
18 中宮寺 菩薩半跏像 小川晴暘 64
19 新薬師寺 伐折羅大将像 小川晴暘 66
20 法隆寺金堂壁画 第六号壁 佐藤浜次郎 68
21 日本観光写真壁画 小石清、木村伊兵衛、渡辺義雄ほか 70
22 観心寺 如意輪観音菩薩像 佐藤辰三 72
23 神護寺 薬師如来立像 辻本米三郎 74
24 高松塚古墳西壁面 女子像全図 大八木威男 76
25 法隆寺五重塔北面侍者像 坂本万七 78
26 室生寺弥勒堂釈迦如来坐像衣文 土門拳 80
27 神護寺 薬師如来立像 土門拳 81
28 平等院鳳凰堂 土門拳 84
29 東大寺戒壇堂 広目天像 入江泰吉 88
30 西の京の秋 入江泰吉 90
31 秋深き法起寺 入江泰吉 92
32 薬師寺 薬師如来坐像の足裏 藤本四八 96
33 唐招提寺 講堂内部の天井 渡辺義雄 98

解説1
文化財撮影の歴史を切り拓いた3人の写真師の物語 岡塚章子 50

解説2
国宝と闘った写真家たち 金子隆一 100

KOKUHO COLUMN

写真を用いた文化財調査の嚆矢・壬申検査 14
大蔵省がつくった『国華餘芳』とは? 23
外国人土産に大人気! 「横浜写真」とは? 27
文化財指定の礎となった近畿宝物調査 35
小川一眞と小川晴暘 47
土門拳“走る仏像"全文掲載 87
太平洋戦争中の国宝の疎開 95

用語解説 金子隆一 110

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