こんぱるいろ、彼方

こんぱるいろ、彼方
ためし読み
定価
本体1500円+税
発売日
判型/頁
4-6/320
ISBN
9784093865760

電子版情報

価格
各販売サイトでご確認ください
配信日
2020/05/14
形式
ePub
〈 書籍の内容 〉
「ベトナム人? お母さんが?」
 サラリーマンの夫と二人の子どもと暮らす真依子は、近所のスーパーの総菜売り場で働く主婦だ。職場でのいじめに腹を立てたり、思春期の息子・賢人に手を焼いたりしながらも、日々は慌ただしく過ぎていく。
 大学生の娘・奈月が、夏休みに友人と海外旅行へ行くと言い出した。真依子は戸惑った。子どもたちに伝えていないことがあった。真依子は幼いころ、両親や兄姉とともにボートピープルとして日本に来た、ファン・レ・マイという名前のベトナム人だった。
 真依子の母・春恵(スアン)は、ベトナム南部ニャチャンの比較的豊かな家庭に育ち、結婚をした。夫・義雄(フン)が南ベトナム側の将校だったため、戦後に体制の変わった国で生活することが難しくなったのだ。
 奈月は、偶然にも一族の故郷ベトナムへ向かう。戦争の残酷さや人々の哀しみ、いまだに残る戦争の跡に触れ、その国で暮らす遠い親戚に出会う。自分のルーツである国に深く関心を持つようになった奈月の変化が、真依子たち家族に与えたものとは――?
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した『しずかな日々』、
累計約20万部のヒット作『るり姉』、
神奈川本大賞受賞の『明日の食卓』。
家族小説の気鋭が、ベトナムから来日した
ボートピープル一家のその後を描く意欲作です。
〈 電子版情報 〉
こんぱるいろ、彼方
Jp-e : 093865760000d0000000
「ベトナム人? お母さんが?」

 サラリーマンの夫と二人の子どもと暮らす真依子は、近所のスーパーの総菜売り場で働く主婦だ。職場でのいじめに腹を立てたり、思春期の息子・賢人に手を焼いたりしながらも、日々は慌ただしく過ぎていく。
 大学生の娘・奈月が、夏休みに友人と海外旅行へ行くと言い出した。真依子は戸惑った。子どもたちに伝えていないことがあった。真依子は幼いころ、両親や兄姉とともにボートピープルとして日本に来た、ファン・レ・マイという名前のベトナム人だった。
 真依子の母・春恵(スアン)は、ベトナム南部ニャチャンの比較的豊かな家庭に育ち、結婚をした。夫・義雄(フン)が南ベトナム側の将校だったため、戦後に体制の変わった国で生活することが難しくなったのだ。
 奈月は、偶然にも一族の故郷ベトナムへ向かう。戦争の残酷さや人々の哀しみ、いまだに残る戦争の跡に触れ、その国で暮らす遠い親戚に出会う。自分のルーツである国に深く関心を持つようになった奈月の変化が、真依子たち家族に与えたものとは――?

レビューを見る(ネタバレを含む場合があります)>>

素晴らしい小説でした!  奈月は、ベトナムへ旅行することから、母、真依子より、ベトナム人であること、ボートピープルであることを知らされる。  もし自分が奈月の立場がだったらどうしただろう… 奈月はベトナム戦争やボートピープルについて、さまざまな視点で書かれている本を読んだり、祖父母や叔父叔母に話を聞いていく。 そして、奈月は、ベトナムへ行き、ベトナムで感じた空気感や風景、歴史、さまざまなことを吸収していく。  陽の奈月、陰の母真依子。 この物語は、奈月、母真依子、祖母春恵、それぞれの視点や時代から語られる。奈月の行動から、家族のつながりがさらに強くなっていく気がした。 難しいテーマが根元にあるけれど、でもどこにでもいる元気な賑やかな家族。   カバーイラストや色彩がとてもきれいで一目惚れした。ただ、「ベトナム戦争」「ボートピープル」という言葉から、重い内容だったら…と、正直、少しためらいがあった。作中では沖縄の歴史にも話題は広がる。読む決め手は、ネットで読んだ著者の椰月美智子さんのインタビュー記事でした。   今までの歴史の中で起こった出来事や事件などは、自分には関係ないかもしれない。でも、出来事が起こった場所は、大切な人や友人が住んでいたり関係のある場所だったり、旅行にしたことがある場所だったり…一見自分に無関係に思えても、実はつながっていることはたくさんあるのでは、と気づかされました。  家族小説でもあり、様々なことを教えてくれる小説でもあり。ますます椰月美智子さんの大ファンになりました。(40代 女性) 2020.8.24

娘の塾の先生が紹介したいくつかの本から娘が読みたいと選びました。親の私も読んでみました。ベトナムへは12年くらい前に観光で行きました。ストーリーに出てくる観光地へ行きましたが、当時は隣国で起こった悲惨な戦争という程度しか思っていませんでした。実際には青海家のような家族が身近かに実在していて、彼らの力強く、たくましく、凄まじい生きる様は想像を絶するものだと改めて感じ、考えさせられます。(50代 女性) 2020.7.23

好きな作家の新しい方向性を感じた作品だから(50代 女性) 2020.7.13

初めて読むテーマの話だったことと、るり姉さんが好きだから。(30代 女性) 2020.6.20

まず、ブックカバーが質、色共にとても素敵だと思いました。 そして、家族愛を中心に描かれつつもどこの家庭にもありそうなやりとりで親近感を感じつつも、突然ベトナムの話になり、わたし自身が今まで知らなかったボートピープルについて深く描かれてあり、勉強にもなりました。 またこのコロナで各国が自由を制限してコロナを終息に向かわせた中で、日本は法律としてロックダウンができなかった。それについて、日本国内からはいろんな意見が出ていますが、この本の中で、自由は大事だという言葉があり、こういった経験から法律は作られているんだと感じました。 日本人にとって自由は当たり前過ぎて、深く考えたことはなかったけど、自由な生活は本当に人間らしく生きるために必要で、 このタイミングでこの本と出会えたことを本当に感謝したいです。(20代 女性) 2020.6.11

ブクログにも同じものを上げる予定です。 あまりに良い本だったのでアツくなってしまいました。  突然知った母のルーツ。友達と旅行先に決めたベトナムが、母の故郷だった。 奈月の眩しいばかりの正義感に涙が出る。ここ最近、差別的な発言に触れすぎていたのか、力強く差別を否定し、そしてそれに屈しそうになる人にも等しくNOを言える奈月の言動に救われた自分がいる。 娘に自身のルーツを隠す真依子と同じように不安があった。知ったら奈月がどう思うか、それを知った周りがなにを言うか。そこに差別があることを否定する前に、周りの人間の差別心を疑ってしまう。自分の弱さを人のせいにして。奈月と同時に憤れなかった私は、ベトナムに対して、ボートピープルに対して、日本で生きるうえで差別や偏見は残念ながら少なからずあるものと、思ってしまってはいなかったか。自分は差別をしていないと思っても、差別の存在を仕方ないと思ってしまえば、それは間違いない、差別だ。 奈月の言葉に安心したと同時にその言葉が鋭く突き刺さったのは、きっとそんな保身的で差別の存在をどこかで否定しきれていない弱い自分を強く叱ってほしかったのだ。 ルーツを隠していたことに対して奈月は激しく憤り、真依子に言う。 「親がベトナム人だからなんなの?わたしがハーフだからなんなの?なんの問題があるの?小中のとき、クラスにフィリピンの友達がいたよ。高校のときだって、イギリスと韓国の子がいた。みんな大好きな友達だよ。なんでいじめられるのが前提なわけ?」 そして、さらに続ける。 「わたしたちのせいにして、本当はお母さん自身が隠しておきたかったんじゃないの?お母さんが自分のことをはすかしいって思ってるんじゃないの?」 突き刺さる。涙が出た。 私にインド人の友達がいる。日本語も英語もヒンディー語も上手でとっても明るくて優しい友達。その友達のことを好きで、仲良くしていても、その友達に対する周りの偏見の目を許せば、仕方ないと諦めれば、それは差別だ。 奈月のようになりたい。と、強く思った。物語の中で、奈月はベトナムを訪れ、そこで様々な風景、人々、暮らしに触れながら正義とはなにかと自分の中で深めていく。自分の正しさを押し付けることが正しいことではない、と。もちろん、その意見には共感するし、この世界のことは正義と悪には単純に分けられないことはよくわかる。そして、それを実感し自身の信じるところをしなやかに力強く深め広げていく奈月の成長は眩しくうつくしい。 ふれつづけるべきた。考え続けるべきだ。関わり続けるべきだ。 当事者として。 今回奈月は、突然ベトナムという国の当事者となった。しかし、私もまた当事者だ。日本で就職できたことを笑顔で教えてくれたインド人の友達、農家で働く技能実習生、コンビニでアルバイトする留学生。当事者たちと関わり生きていくという意味で私も当事者だ。この多様な人々の生きていく世界の当事者。 この物語に出会えてよかった。私は物語を通して真依子に寄り添い、奈月と旅をして、スアンと海を渡った。私も当事者。物語は私を当事者にしてくれる。物語の力だ。いろんな世界に生きることができる。 ベトナムに行きたいな。スアンの見たニャチャンの海の色を、私も見たい。 (30代 女性) 2020.6.4

あなたにオススメ!

  • 家族の食卓 3
  • 黄昏流星群 10
  • すべては海になる
  • ワン・プラス・ワン
  • 報復刑 8
同じジャンルの書籍からさがす

発売日でさがす一覧へ

SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31