STORY
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森雪之丞

朝ハムエッグが焦げたのは電話のせい
イビキは夢の中で悪霊を追っ払っていたせい
風邪を引いたのは縮んだパジャマのせい
きっと詩が書けないのは風邪薬のせい
責任転嫁は了見の狭い心のせい
昼ワンタン麺が伸びたのはメールのせい
パンツのウエストがキツイのはデザインのせい
仕事に遅刻したのは鮮やかすぎる紫陽花のせい
バンパーをコスッたのは
黒猫が昼寝していたせい
言い訳はいつも素直になれない心のせい
今キスしたのは会話に飽きたせい
次のキスは理由を訊かれたくなかったせい
だから見上げちゃうよね南十字せい …などと
肝心な所で茶化してしまうのは弱虫な心のせい
恋を何かのせいにしないでと
叱られたくないせい

あの日あなたを抱きしめてしまったのは
何かにしがみ付いていないと
吸い込まれそうだった
五月晴れの真っ青な空のせい








森雪之丞

しのあたま
すき! とさけんで
そのあとは
かくことないので
ひるねした

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