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『伊勢物語』

黒鉄ヒロシ

千年の時を生き抜いた歌物語の元祖『伊勢物語』を、黒鉄ヒロシが画期的ビジュアル化!! 在原業平の伝記ともいわれる平安の雅の世界を、平成の“色好み”を知る絵師・黒鉄ヒロシが業平に同化、「芥河」「東下り」「筒井筒」など馴染みの深い段も含めて、全段、流麗、風雅、爆笑、感動、入魂の初漫画化!! 作品解説/望月光(代々木ゼミナール講師)、巻末寄稿/橋本 治。

ISBN:978-4-09-362194-6
定価:本体1,600円+税

  • 伊勢物語とは

    平安時代の歌物語。作者不明。現存本は、ある男の初冠(ういこうぶり)から辞世の歌に至る約一二五の章段より成る。
    「古今集」以前に存在した業平の歌物語を中心にしてしだいに他の章段が付加され、「後撰集」以降に現在の形になったかという。
    「在五が物語」「在五中将日記」「在中将」「勢語」とも呼ばれる。

    <日本国語大辞典ジャパンナレッジ版より>

  • 作品紹介

    『伊勢物語』の構成は歌と散文とに分けられるが、全てが歌であり散文である、とも言えるのではなかろうか。

    主人公、昔男、すなわち在五中将、実在の六歌仙の一人、つまり在原業平となるが、業平のようで、業平でない。

    その背中に、貴方と、君と、僕を乗せて人の無常を荷物として、恋路を旅する理想の男として『伊勢物語』の世界を駆け抜ける。

    『古今和歌集』仮名序の業平の歌の評、「その心あまりてことばたらず」に対して、「細(こま)いこといいなさんな」とばかり、陽気な雲としてぽかりと浮かぶ、言葉足らず故の迫力と説得力と愛嬌は、『伊勢物語』の血となって全編を駆け巡る。

    「ごちゃごちゃいわんで楽しみなはれ」と業平雲は女山の胸を越え、太股(ふともも)谷をわたり、老いの坂を越して、「つひにゆく道」へと繋がっていく。

    しぼめる花の色なくて匂い残れるがごとし。

    怪しの香を残して、『伊勢物語』は閉じる。

    百年後に「言葉足らず」の業平は、『源氏物語』の光源氏として生まれかわり、『伊勢物語』の残り香はしぼめる花の中へと忍び入って、内から花弁を押し開くと、今一度しっとりと咲いてみせるのである。

    黒鉄ヒロシ(本文より)

    作品紹介 画像

  • 著者プロフィール

    黒鉄ヒロシ(くろがね・ひろし)

    1945年、高知県生まれ。漫画家。武蔵野美術大学商業デザイン科入学。
    1968年、『山賊の唄が聞こえる』でデビュー。
    1997年、全集「マンガ日本の古典」の『葉隠』で第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。同年『新選組』で第43回文藝春秋漫画賞。
    1998年、『坂本龍馬』で第2回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。
    2002年、『赤兵衛』で第47回小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞。
    2004年、紫綬褒章受章。
    2012年、『千思万考』『新・信長記』など著書多数。

  • 著者作品紹介

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