一年中温暖な気候、物価は日本の3~5分の1程度、世界にメイドを輩出している国ならではの、やさしく明るく面倒見のいい国民性、年の差婚は当たり前、そして原発ゼロのフィリピン。問題山積の超高齢社会ニッポンで下流老人になるくらいなら、いっそのことフィリピンで幸せな老後を送りたい。そんな日本人が年々増えています。しかし、果たして、老後の楽園はそこにあるのでしょうか? 恋人候補200人のナンパおじさん、19歳の妻と1歳の息子とスラムで暮らす元大手企業サラリーマン、ゴミ屋敷暮らしの母親をセブ島に送り込んだ娘、認知症の母親を、フィリピン人メイドと介護する夫婦。「美しい島」で孤立死を選んだ元高校英語女性教師……。 さまざまな「脱出老人」のジェットコースター人生を、マニラ在住、開高健ノンフィクション賞受賞作家が徹底取材した衝撃ルポ。
■この本の推薦者 著者 水谷竹秀さん
1975年三重県まれ。上智大学外国語学部卒業。フィリピンを拠点にノンフィクションライターとして活動中。2011年に『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』で開高健ノンフィクション賞受賞。