
今後の日本を考える格好の企画
梅原 猛
哲学者
私は人類の将来、日本の将来に深い憂慮の念をもっている。
人類は現在のような文明を続けていると、あと何百年かのうちに滅びるにちがいない。
そして日本の有様、とくに精神の荒廃ぶりを見ると、日本人はもっと早く亡国の運命をたどるであろう。
私は一人の著作者として、それを少しでもくい止める努力をしたいと思う。そのときにわれわれはまず歴史に学ばなくてはならない。誤った歴史は繰り返すべきではないし、 日本人が培ってきた自然と共存する生命観や、社会や家族を支えてきた倫理観を歴史から学ばなければならない。 『日本の歴史』は、文化や人々の暮らしぶりにも光をあてようとするものであり、 これからの日本を考える格好の企画といえる。

今こそ歴史に学ぶべき時
池上 彰
ジャーナリスト
私たちが学校で習った歴史。その内容が、いまでは大きく変わってしまっていることをご存じですか。
学校の教科書も、記述が大きく変化しています。歴史は、決して固定的なものではありません。研究が進むにつれて、その内容が変化していくものなのです。 暗く、停滞した時代だと思われていたのが、実は躍動感あふれる明るい時代だった、 という歴史観の転換を迫る研究成果が、続々と発表されています。
愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ。先人の知恵に学び、先人の失敗は繰り返さないこと。歴史は、未来に役立つのです。

新しい歴史が見えてくる
田中 優子
法政大学教授
日本の歴史研究は急速に変わっている。発掘調査から次々にわかることはもちろんだが、
あまり今まで注目してこなかった事実に焦点が当たると、それだけで歴史の見え方は変わってくる。
日々新しい視点が生まれてくるのだから、歴史全集は常に新しい成果を掲載していただきたい。小学館・全集『日本の歴史』の中で、とくに私は「鎖国という外交」や「徳川の国家デザイン」という言葉に注目した。 多くの研究者は鎖国という名前の法が存在しないことも、世界と江戸時代との関わりも知っている。 しかしそれは一般には知られていない。江戸時代、それまでとは全く異なる国がデザインされたことも知られていない。 世界から日本を見た、新しい歴史が見えるはずだ。
