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各賞・作品募集

受賞作

■ 第18回『小学館ノンフィクション大賞』最終選考結果のお知らせ■

 

―大賞(2作品)―

『北緯43度の雪』

河野 啓 (こうの・さとし)

『柔の恩人──「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界──』

小倉孝保 (おぐら・たかやす)

 

 

小学館は2011年7月22日、「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」3誌主催による 「第18回小学館ノンフィクション大賞」の最終選考会(午後5時から。於、山の上ホテル)を行い、受賞者を決定いたしました。

選考の結果、今回は大賞に2作品『北緯43度の雪』河野 啓、『柔の恩人――「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界――』小倉孝保、を選考しました。

大賞受賞者には賞金として、それぞれ250万円が贈られます。

なお、贈賞式は、9月2日(金)午後6時30分から、東京會舘にて行う予定です。

 

 

■ お問い合わせ先■

小学館ノンフィクション大賞事務局 工藤/電話 03-3230-5801

 

 

第18回 小学館ノンフィクション大賞 受賞作品紹介

 

◆大賞

『北緯43度の雪』

河野啓 (こうの・さとし) 48歳

【梗 概】

1972年の札幌オリンピックに亜熱帯の国、台湾から8人のスキー選手が送られている。彼らはある重要な使命を背負っていた。「とにかく滑った記録を残せ!」

当時の蒋介石総統のその言葉に従って彼らは、へっぴり腰で最大斜度40度の急斜面に挑んでいった。

「音楽にたとえると、他の選手の滑りはロック、でもお前のはワルツだった」と、不格好な滑りを笑われた選手もいる。実は彼らこそ、国際連合から追放され孤立する一方だった『中華民国』が、形勢逆転を狙って世界に放った最終兵器だった……。

札幌オリンピックから36年後の2008年、北京オリンピックが開催された。中国に初めて灯った聖火を、かつて国家の命令でスキーに打ち込んだ台湾の選手たちは、どんな思いで見つめたのか? 当時の代表8人のうち5人を取材することができた。

その元代表の1人は、去年2月、バンクーバー・オリンピックの開会式に姿を見せた。彼はオリンピックを自らの「職業」に選んだ。IOC・国際オリンピック委員会との間で交わされた屈辱的な調印書を前に、「これは妥協の産物だ」と唇を噛んだ。

また1人は、3度目となるオリンピック出場を、大国アメリカの思惑に阻まれた。これに対して彼は、たった1人で、ある闘いを挑んだ。アメリカのメディアは、それを連日大きく報じた。「あのときのことを思い出すと、今でも涙が溢れてくる」。

政治とスポーツの狭間で揺れた彼らの40年。北緯43度、札幌の街で雪と格闘した台湾初のスキー選手たちの可笑しくも切なく、悲しくも誇らしい『奮闘の記録』である。

【プロフィール】

1963年1月23日、愛媛県生まれ。北海道放送勤務。高校中退者を全国から受け入れている北星余市高校を長年継続取材。同校を取材したドキュメンタリー番組「学校とは何か?」で放送文化基金賞本賞。著書に『よみがえる高校』(集英社)。

 

 

 

◆大賞

『柔(やわら)の恩人──「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界──』

小倉孝保 (おぐら・たかやす) 47歳

【梗 概】

米ニューヨーク・ブルックリンに生まれ、女子柔道の国際化のために闘った功績から「女子柔道の母」と呼ばれたユダヤ人女性、ラスティ・カノコギの生涯を描いた作品である。

深刻な人種差別の中、いじめや貧困にあえぐ家庭で育ったラスティは、10代で女子非行グループのリーダーになり、けんかを繰り返すようになる。しかしある日、柔道と出会い、この格闘技に開眼する。当時、米国東海岸で女性柔道家は極めて珍しく、ラスティは更衣室もないところで着替え、男性相手に乱取りをして、めきめき実力をつけていった。

1962年に単身来日。講道館に乗り込んで武者修行し、そこで出会った鹿子木量平と米国に帰国後、結婚した。その後は、柔道の女子大会開催に取り組み、孤軍奮闘の末に第1回の女子柔道世界選手権大会を成功させた。さらに、国際五輪委員会(IOC)が女子柔道を五輪正式種目にすることを拒否した時には、世界中で署名運動を展開。訴訟も辞さないとIOCを脅し、五輪のスポンサーであるテレビ局にも圧力をかけた。

ラスティの献身的な働きかけの結果、女子柔道は1988年のソウルで公開競技、92年のバルセロナで正式種目となる。その後の山口香、田村(現・谷)亮子らの“YAWARA”世代、それに続く日本女子の隆盛は、ラスティの闘いなしにはありえなかった。

2008年にはその功績から旭日小綬章を受章。しかし2009年暮れ、長らく煩った骨髄腫のため、74年の生涯を閉じた――。ラスティ自身へのロングインタビューや未公開手記をもとに柔道のために身を捧げた一人のユダヤ人女性の波瀾に満ちた生涯を綴る。

【プロフィール】

1964年7月9日、滋賀県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。1988年に毎日新聞社入社。福井支局、阪神支局、大阪本社社会部、東京本社外信部、カイロ、ニューヨーク各支局長を経て2010年4月から外信部副部長。著書に『初代一条さゆり伝説』『戦争と民衆』『大森実伝』。

 

 

 

 

<最終候補作>

◆『バッハの峰へ! 諏訪根自子』 萩谷由喜子

◆『ヒタ同心──海舟と龍馬と永井尚志』 米澤寿美子

◆『北緯43度の雪』 河野 啓

◆『柔の恩人──「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界──』 小倉孝保

 

 

【第18回 小学館ノンフィクション大賞について】

18回目を数える今回は、2011年4月末日に募集を締め切り、318編におよぶ力作が寄せられました。この中から次の4作が、7月22日午後5時から山の上ホテルで開かれた最終選考にかけられ、桐野夏生、椎名 誠、関川夏央、髙山文彦、二宮清純、溝口 敦の各選考委員により受賞作が決定いたしました。

 

●賞  金:大賞=500万円(複数受賞の場合は分割) 優秀賞=100万円

●発  表:なお、受賞作は8月中旬の『週刊ポスト』『女性セブン』『SAPIO』誌上、および小社ホームページで発表いたします。受賞作は単行本として刊行予定です。

●選考委員:桐野夏生(作家)、椎名 誠(作家)、関川夏央(作家)、髙山文彦(作家)、    二宮清純(ジャーナリスト)、溝口 敦(ジャーナリスト)

●贈 賞 式: 2011年9月2日(金)午後6時30分から東京會舘にて挙行予定。

 

【小学館ノンフィクション大賞】

「小学館ノンフィクション大賞」は、1993年、創刊25周年を迎えた「週刊ポスト」が「SAPIO」とともに、21世紀へ向け新しい感覚で時代を切り拓いていく新進気鋭のライターの登龍門となるべく、「21世紀国際ノンフィクション大賞」として新設、第7回より「小学館ノンフィクション大賞」と改称したものです。受賞作は『狂気の左サイドバック』(第1回)、『乳房再建』(第2回)、『絶対音感』(第4回)、『まぐろ土佐船』(第7回)、『ネグレクト』(第11回)など、このジャンルでは異例のベストセラーとなっていることからも、当賞がノンフィクションの新しい地平を拓き、新しい才能を発掘するものであることを示していると自負しております。

募集作品は未発表作品に限り、海外冒険旅行や、博物誌、観察記、歴史発掘、ビジネスドキュメント、スポーツドキュメント、科学ドキュメントなど、さまざまな視点から「時代」を捉えたものを、国内外を問わず広く世界から求めます。原稿枚数は、400字詰め原稿用紙300枚程度で、応募資格は、プロ、アマ、性別、国籍、年齢は問いません。

 

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