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2016.4.22

『国を愛する心』とは、一体どういうことなのでしょう? 三浦綾子が"今を生きる"私たちに送った提言集。

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『国を愛する心』とは、一体どういうことなのでしょう? 三浦綾子が"今を生きる"私たちに送った提言集。

「戦争」「平和」「人権」「教育」・・・大半が単行本未収録のエッセイ集!

 

『氷点』『塩狩峠』『銃口』・・・数々の名作を発表してきた三浦綾子さんはまた、良質なエッセイの書き手としても知られています。本著『国を愛する心』では、そんな彼女のエッセイの幅広いテーマの中から、「戦争」「平和」「人権」「教育」といった社会問題について書かれたものを厳選してまとめました。

 

「人間が人間を尊重するということは、とりもなおさず、人間の命を奪ってはならないということである」

 

 三浦綾子さんは、戦争中に教師という立場にあった自らの罪を認めながら、次代を生きる者たちのために、さまざまな問題に言及します。太平洋戦争を「侵略戦争」と言い、「過ちを過ちとしない限り、幸いな次代をもたらすことはできない」と強調。平和憲法を評価し、安保条約や国家機密法、自衛隊の海外派兵に異を唱え、原子力発電所については、「一日も早くこの世界から原発のなくなる日を」と結んでいます。原発事故を経験し、安保関連法が施行され、憲法改正が現実味を帯びてきた今だからこそ、響く言葉です。

 

「愛のないところに、真の教育が成り立つはずがない」

 

 人間が人間を教えることに心を寄せ続けた愛のこもったメッセージ。大半が単行本未収録の、"今を生きる"私たちに送られたかのような提言の数々に、魂がふるえます。

 

小学館新書

『国を愛する心』

著/三浦綾子

 

 

合わせてこれも読みたい!

 

小学館文庫

『自我の構図』

著/三浦綾子

妻子がありながら同僚である藤島の妻に心惹かれている南慎一郎。共に訪れた峡谷で藤島が謎の死を遂げる。不慮の事故か、他殺か、自殺か。そして、慎一郎に嫌疑が掛けられる。果たして、人は人を真に愛することができるのか。人間のエゴイズムを鋭く浮かび上がらせた問題作です。

 

名作をコミカライズ!

『氷点』

作/三浦綾子 画/水谷 愛、

医学博士の父、美しい母、ふたりの子供たち。幸せな家庭は、娘・ルリ子の死によって歯車が狂い始める・・・。母・夏枝は身代わりの養女を夫にせがむが、妻の不貞を知り怒った夫・啓造は、ルリ子殺害犯の娘を養女に迎える。養女の陽子を我が子のように愛する夏枝だったが、陽子の秘密を知り、愛情は憎しみへと変わり・・・。

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