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2016.3.8
アイドルグループ、学校、恋・・・卒業シーズンに読みたい! 切なくてあったかい短編集『卒業するわたしたち』
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この涙は、どんな涙ともきっと違う。
吹奏楽部の1年後輩の男子に密かに思いを寄せる先輩女子が、告白できずに卒業していく――「流れる川」
離婚する妻が夫との最後の会話のなかで、下の名前ではなく「あなた」と呼ばれたことを印象に残す――「春の雨」。
二十八歳の娘が、仲の良い母の再婚を自分のなかでようやく祝福できる気持ちに至る――「母の告白」。
女性アイドルグループのメンバーが脱退することを知った、ある女子ファンの心情を追った――「にじむオレンジ」。
仲良しの少し不良の女子高生から、上京してしまうために様々なプレゼントをもらうことになる女子小学生を描いた――「屋上で会う」。
恋、学校、アルバイト、アイドルグループ・・・単なる卒業式、男女の別れに留まらない卒業のお話が13篇。色とりどりのシチュエーション、さまざまな登場人物の機微が描かれた、切なくてあったかい、1話完結の短編集です。各ショートストーリーの冒頭に添えられた短歌にもホロリ・・・。短編を読む前に想像を働かせ、短編を読んだ後に再度、短歌を読み直すと、心にしみわたります。"卒業という言葉"、"卒業という認識"がもつ、ポジティブな力にも気づかされる、カトチエコレクションです。
「花嫁がブーケを投げて、空中に浮かんだ状態で終わるのは、ありか? なしか?」
加藤千恵×朝井リョウの文庫巻末対談も面白い!
小学館文庫
著/加藤千恵
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