神保町シアター

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これまでの特集企画

「本の街・神保町」文芸映画特集Vol.5
豊田四郎と東宝文芸映画


1. 若い人
上映日時:8月16日(土)11:00、8月17日(日)17:30、8月20日(水)14:30、8月22日(金)16:40

豊田の出世作にして、石坂洋次郎作品の初の映画化。函館の女学校を舞台に、愛に飢えた奔放な少女と若い男性教師の物語を綴る。

2. 泣虫小僧
上映日時:8月17日(日)15:45、8月19日(火)12:00、8月20日(水)18:45、8月22日(金)14:45

新しい父になつかず、生母にもてあまされた少年が、叔母たちの家を転々とする。どこかなつかしい、抒情派小市民映画の傑作。

3. 雁
上映日時:8月17日(日)11:00、8月18日(月)14:15、8月19日(火)18:45、8月20日(水)16:30

戦中戦後にかけてスランプと言われた豊田が、鴎外に挑み、再出発を果たした名作。無縁坂の巨大なセットは今も語り草である。
※16mmで上映

4. 麦笛
上映日時:8月16日(土)18:30、8月18日(月)16:30、8月19日(火)14:15、8月21日(木)12:00

思春期を迎えた少年の異性へのもどかしい思いを、早熟の友人との関わりの中で描く。ロケ地倉敷の風景が大正時代色を醸し出す。

5. 夫婦善哉
上映日時:8月16日(土)13:15、8月20日(水)12:00、8月21日(木)17:00、8月22日(金)18:45

道楽者のぼんぼんと駆け落ちした芸者が意地を貫く愛情物語。本作で一躍名優となった森繁のダメ男ぶりが最高。豊田の代表傑作。

6. 猫と庄造と二人のをんな
上映日時:8月16日(土)15:45、8月18日(月)18:45、8月21日(木)14:15、8月22日(金)12:00

優柔不断な怠け者の森繁をめぐり、バトルを繰り広げる先妻山田五十鈴と若妻香川京子。虚飾ない本音の応酬が滅法おもしろい秀作。

7. 恍惚の人
上映日時:8月17日(日)13:35、8月18日(月)12:00、8月19日(火)16:30、8月21日(木)19:30

当時60歳の森繁が認知症老人を、それを介護する気丈な嫁を高峰が演じた秀作。岡崎宏三の縦横無尽のキャメラワークも素晴らしい。

8. 雪国
上映日時:8月24日(日)13:30、8月27日(水)16:45、8月28日(木)11:40、8月29日(金)19:25

川端康成の代表作を現地ロケで映像化し、文芸映画の代名詞ともなった名作。岸と池部が演じる、駒子と島村の造形が素晴らしい。

9. 夕凪
上映日時:8月23日(土)18:40、8月25日(月)16:45、8月26日(火)12:00、8月27日(水)14:25

米国留学から帰ってきた私生児の娘と、彼女に打ち明けられない秘密を持つ母の葛藤を、鎌倉と横浜を舞台にドラマチックに描く。

10. 負ケラレマセン勝ツマデハ
上映日時:8月23日(土)11:00、8月24日(日)18:40、8月25日(月)14:30、8月26日(火)16:45

坂口安吾が税務署の差押えと戦った手記を、森繁社長の自動車内張工場に置き換えて映画化。零細自営業者の意気地を描く喜劇。

11. 駅前旅館
上映日時:8月23日(土)16:20、8月25日(月)19:10、8月28日(木)14:25、8月29日(金)12:00

東宝「駅前」シリーズの第1作となった名作。上野駅前を舞台に旅館の番頭たちの日々を、森繁、伴淳、フランキーの競演で描く。

12. 暗夜行路
上映日時:8月23日(土)13:30、8月27日(水)11:30、8月28日(木)19:00、8月29日(金)16:40

出生の秘密を乗り越え、結婚した男が直面する新たな苦悩。原作との比較で語られがちだが、映画黄金期の風格を湛えた秀作である。

13. 珍品堂主人
上映日時:8月24日(日)16:15、8月25日(月)12:00、8月26日(火)19:00、8月29日(金)14:15

骨董の目利きにして美食家の珍品堂が、理想の料亭を作るが…。欲得づくの世界に生きる芸術家肌の男を森繁が絶妙に演じた秀作。

14. 東京夜話
上映日時:8月24日(日)11:00、8月26日(火)14:25、8月27日(水)19:25、8月28日(木)16:45

バーのマダムに世話される没落華族の元外交官と、バーで働く大学生の息子を中心に描かれる風俗映画。山崎努の出世作である。

15. ぼく東綺譚
上映日時:8月30日(土)13:15、9月1日(月)16:40、9月4日(木)19:00、9月5日(金)12:00

荷風の代表作を、妻との愛情が冷めた中年男を主人公に脚色し、娼婦の哀れさを際立たせた名作。伊藤熹朔の美術にも圧倒される。

16. 如何なる星の下に
上映日時:8月30日(土)15:40、9月1日(月)14:15、9月2日(火)12:00、9月3日(水)19:00

佃島と築地を舞台に、男運の悪い女たちを見つめた作品。森繁ら、ろくでなしの男たちの「至芸」を長廻しで追った演出が見事だ。

17. 憂愁平野
上映日時:8月31日(日)11:00、9月3日(水)16:40、9月4日(木)14:15、9月5日(金)18:50

亡兄の思い出を胸に、その親友と妻の前に現れた娘が倦怠期の夫婦に波紋を起こす。映像美が見事な、山本富士子最後の映画出演作。

18. 台所太平記
上映日時:8月30日(土)18:05、9月2日(火)16:40、9月4日(木)12:00、9月5日(金)14:25

小説家の家に出入りしたお手伝いさんたちの群像を描くコメディ。戦後20年間で大きく変貌していった若い娘気質を活写する。

19. 甘い汗
上映日時:8月31日(日)13:30、9月1日(月)19:10、9月3日(水)12:00、9月4日(木)16:35

体を武器に水商売を続け、娘を育て上げてきた女の狡さとたくましさを描き、京マチ子が女優賞を独占した秀作。佐田啓二の遺作。

20. 波影(なみかげ)
上映日時:8月31日(日)15:55、9月1日(月)12:00、9月2日(火)19:00、9月3日(水)14:25

越前小浜を舞台に、心根の穏やかな娼婦とその周囲の人々の歳月を、戦争を挟んで描く。若尾文子は、水上勉の世界によく似合う。

21. 四谷怪談
上映日時:8月30日(土)11:00、8月31日(日)18:10、9月2日(火)14:25、9月5日(金)16:40

零落の身からはい上がろうとする伊右衛門の悪党ぶりを主軸に描く。迫力満点の仲代&岡田に加え、勘三郎の小悪党ぶりが利いている。

22. また逢う日まで
上映日時:9月7日(日)13:15、9月10日(水)16:15、9月11日(木)12:00、9月12日(金)18:45

ガラス越しの接吻シーンとともに映画史に残る恋愛映画の名作。空襲下の地下鉄駅で出会った学生と貧しい女性画家の悲恋を描く。

23. 夏目漱石の三四郎
上映日時:9月6日(土)11:00、9月7日(日)17:45、9月9日(火)16:30、9月10日(水)14:15

戦前から『虞美人草』など文芸映画の担い手でもあった中川信夫の漱石もの。深刻ぶらない爽やかな演出で、八千草薫が美しい。

24. 坊っちゃん
上映日時:9月6日(土)15:25、9月8日(月)14:15、9月9日(火)12:00、9月10日(水)18:45

誠実な作風で知られる丸山が「国民文学」に挑んだ作品。池部の坊っちゃん、岡田のマドンナ、森繁の赤シャツなど豪華配役がうれしい。

25. 山鳩
上映日時:9月6日(土)13:15、9月8日(月)16:35、9月10日(水)12:00、9月11日(木)18:45

草津と軽井沢を結ぶ草軽電鉄の小さな駅に逃げてきた若い娼婦と、一人暮らしの老駅長の物語。原作は新国劇で初演された戯曲。

26. 智恵子抄
上映日時:9月7日(日)11:00、9月8日(月)18:45、9月9日(火)14:20、9月12日(金)16:30

高村光太郎と心を病んだその妻智恵子の純愛物語。智恵子には原節子、夫光太郎は山村聡。高村光太郎死去の翌年、製作された。

27. 重役の椅子
上映日時:9月6日(土)17:45、9月8日(月)12:00、9月11日(木)16:30、9月12日(金)14:15

重役の急死によって、直属の部下だった主人公の前に社内外の様々な人間関係があらわになっていく。企業内権力抗争を描いた秀作。

28. 江分利満氏の優雅な生活
上映日時:9月7日(日)15:35、9月9日(火)18:45、9月11日(木)14:20、9月12日(金)12:00

郊外の社宅に住むサラリーマンを主人公に、高度経済成長期の衣食住や戦中派の屈託を活写した傑作。小林桂樹の名演も見もの。